人間は重荷を背負って生きている 第 2,737 号

『深い河』は遠藤周作にとって
作家人生の集大成ともいうべき作品です。
インドのガンジス川の流れに人生を
重ね合わせた遠藤周作は、この作品に、
どのような思いを込めたのでしょうか。

遠藤周作と長年の交流があった
文学博士・鈴木秀子先生が
『致知』最新号(4月号)にて
その思いについて綴られています。

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(鈴木)
1993年に講談社から刊行された『深い河』は
遠藤周作さん(1923~1996)の
遺作となった長編小説です。

篤実なクリスチャンだった遠藤さんにとって
信仰と文学は生涯を貫いた中心軸でした。
日本人とキリスト教という
遠大なるテーマを扱ったこの作品は、
遠藤さんの作家、信仰者としての
集大成ともいえるものであり、
そこに込められた思いは
傍で見ていても並々ならぬものがありました。

遠藤さんは『深い河』を書き上げて
ほどなくして闘病生活に入り、
3年後の1996年に73歳で亡くなるのですが、
そういう死への予感や天国への憧憬が作品の
深みをより増したのではないかとも思います。

この本の装丁が出来上がり、編集者の方が
遠藤さんのご自宅にお見えになった時、
私もたまたまその場に居合わせていました。
本の装丁は流れる川をイメージして
タイトルの三文字を斜めに配したもので、
それを見るなり遠藤さんは
「タイトルがそんなに曲がっていては駄目だ。
真っ直ぐに文字を配置してほしい」
と求められたことが印象深く残っています。

『深い河』の舞台は、
ガンジス川が流れるインドです。
ヒンズー教徒たちはガンジス川の流れが
すべての業を清めると信じており、
年間百万人以上の人たちがここに集まって
沐浴もすれば遺灰も流します。
それらすべてを包容するかのように
流れる雄大なガンジス川を、
遠藤さんは自身の人生や宗教観と
重ね合わせたのです。

『深い河』は遠藤さんの中心軸そのものであり、
タイトルが真っ直ぐでなくてはいけない理由も
そこにありました。

後にこの小説が映画化された時、
遠藤さんと試写会にご一緒し、
観賞したのも懐かしい思い出です。
映画を観終えた遠藤さんは……

★今回の連載は、
「遠藤周作が『深い河』に込めた思い」
「人間は重荷を背負って生きている」
「人生の答えを求めて煩悶する人たち」
「救いを自覚できる習慣」
などについて述べられています。
続きは誌面でご覧ください。

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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