叱るとは.その子の可能性を信じるということなんです 第 2,946 号

低迷していた日本の
アーティスティックスイミングを牽引し、
選手たちを表彰台へと
導き続けてこられた井村雅代さん。
「鬼コーチ」の異名と共に有名な
「三つの叱るコツ」を交え、
選手たちを鼓舞した
体験的指導哲学を語られています。

─────────────────

〈井村〉
いま、スポーツ界で叱る教育の代表といえば、
すぐに私の名前が挙がります。
でも、私の中では叱っているという意識は
全くありません。下手だから下手、ダメだから
ダメ。本当のことを言っているだけなんです。

そして本当のことを言ったら、
私は必ず直す方法を言います。
一つの方法だけでは直りませんから、
今度はこうやってごらんと、
どんどん次の直し方を言う。
そして直ったと思ったら、
「それでいいよ」とちゃんとOKを出すんです。

でも取材に来られるマスコミの方は、
私が怒っているところばかり撮るから、
ああいう恐ろしい映像になるんです(笑)。

きょうの演題は「愛があるなら叱りなさい」
ですが、叱っている時の私は、
あなたをいまよりも絶対によくしてやる、
よくなるまではあなたの傍を離れない。
ただそれだけを思っています。
それが私の本心なんです。

だから、選手にダメって言ったら、
必ず直す方法を言うこと。
こう直しなさいとちゃんと
指示してあげることが大事です。

直す方法って簡単そうですが、
冷静にならないと上手く言えません。
いまの若い子に、相手の気持ちを察するとか、
人の背中を見て学ぶとかいうことを
期待するのは難しいので、
こう直しなさいとちゃんと
言ってあげなければいけないんです。

ここで皆さんに叱るコツをお教えするならば、
叱る時はまず現行犯で叱ってください。
いまのそれがダメなんだって言われたら、
人間は反省します。
「君、この前も同じことを言ったよ」
と古いことを持ち出してはいけません。
これをやられると、
いまやったことへの反省が薄れてしまうんです。

もう一つしてはいけないのは、しつこく叱ること。
それは本人の自己満足で、
聞いている人は「もう分かったよ」って
嫌気が差してくるんです。
現行犯で叱ること、
古いことを持ち出さないこと、
しつこく叱らないこと。
この三つの叱るコツをぜひ覚えてください。

そして、叱る時は本気でかかってください
相手がどんなに小さなお子さんでも、
自分に本気でぶつかってくれているかどうかは
分かるんです。中途半端に叱るくらいなら、
最初から知らん顔をしているほうがましです。

叱るとは、いま自分の目の前にいるこの人は、
絶対にこのままでは終わらないんだ。
いまの状態よりも必ずよくなるんだと、
その人の可能性を信じることなんです。

だから本気でぶつかり、よくなるまであの手、
この手で引き上げようとする。叱るとは、
その子の可能性を信じるということなんです。


(本記事は月刊『致知』2018年1月号
特集「仕事と人生」より、
井村雅代さんの特別講話
「人を育てる――愛があるなら叱りなさい」
の一部を抜粋・編集したものです)

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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