「 慈しむ命 」一覧
このような危機にこそ人の真価が問われる = 2-2 = 第 2,794 号
羽柴秀長は、出世いちじるしい兄の裏方として、 つねに矢銭(軍資金)の調達に走り回っている ため、織田家中のなかには、「あやつは、い つも銭勘定ばかりしている算盤侍じゃ」と 陰口をたたく者もある。しかし、この男 の地味で着実な仕事がなければ、秀吉 の派手な活動が成り立たぬことを、 半兵衛は見抜いていた。 半兵衛の目は澄んでいた。人の命など、遅かれ 早かれ、必ず尽きる。その生...
そのまま詩のように心に迫ってくるものがある 第 2,792 号
作家の高見順が食道がんを患い入院していた折、 病室の窓から一人の少年が嵐の中で新聞配達 をしている姿を見て作ったという詩がある。 《なにかをおれも配達しているつもりで 今日まで生きてきたのだが 人びとの心になにかを配達するのが おれの仕事なのだが この少年のようにひたむきに おれはなにを配達しているだろうか》 この詩を初めて読んだ時の感動をいまも 忘れな...
どんなに辛つらくても生きていればこそ希望が生まれる 第 2,784 号
重度熱傷全身41%、手術回数33回、 切除した皮膚1.5キログラム…… 16歳当時のバイク事故により、 古市佳央さんが味わった痛苦の一部です。 外見と手足の機能を損なう絶望は以後、 心に長く影を落としました。 しかし、古市さんはいま、 自らを世界一幸せと言い切り、 生きる喜びを歌っている。 何が心に光を点したのでしょうか。 ───────────────── (―...
子供というのは限りない可能性を持っています = 2-2 = 第 2,762 号
私は茫然自失です。父親が涙ながらに言います。 「知らせようと思ったんだが、母ちゃんが、 太郎は試験の最中だ、 試験が終わるまで知らせないでくれ」 と言ったから、お葬式を済ませてしまった。 母ちゃんは死ぬ間際までお前の写真を 床の桟のところに置いて眺めていたよ」 十五歳の私は涙が止まりませんでした。 その時、私は神社の大きな欅を眺め、 ぼろぼろ泣きながら...
子供というのは限りない可能性を持っています = 2-1 = 第 2,761 号
本日は、いまから25年前の『致知』に掲載され、 反響を呼んだ、東光院住職・三輪真純氏の 感動秘話をお届けいたします。 ぜひ最後までお読みください。 ……………………………………………… 「子供は限りない可能性を持っている」 三輪真純(東光院住職) 『致知』1998年8月号より ※肩書は掲載当時 …………………………………...
辛い体験「このあたりは全部遺体だった」と‥‥ 第 2,755 号
ドキュメンタリー映画 「ペーパーシティー東京大空襲の記憶ー」を 制作したオーストラリア人の映画監督、 エイドリアン・フランシスさんに、 当時を知る体験者の生々しい証言を交え、 過去を知り、平和な未来をつくっていく 大切さをお話しいただきました。 ───────────────── 1945年3月10日の未明、 300機を超えるアメリカ軍の B29による無差別絨毯爆撃によ...
常にあらゆる環境を楽しむことで人生を生き抜く秘訣がある = 2-2 = 第 2,752 号
〈畑〉 命は太陽の光が必要だったり、風が必要だったり、 風が皮膚にどのくらい当たるかで反応してしまう のです。そうした命を持つ生き物とのつながり みたいなものに、自分の命を置くことに、 私はこの上ない興味がある。 ――まさに生命に触れておられるんですね。 動物に接している時の先生の表情を見ると、 真心こめて、誠心誠意接しているな、 という感じを受けるのですが、それを厳しく 超え...
常にあらゆる環境を楽しむことで人生を生き抜く秘訣がある = 2-1 = 第 2,751 号
2023年4月5日、〝ムツゴロウさん〟の愛称で お馴染みの作家・畑正憲さんが亡くなられ ました。87歳でした。 世界の秘境へ挑み、インドの泥水さえ飲み 込んで、さらに獰猛な巨大動物と触れ合う。 畑正憲さんの人生は、常に死ぬか生きるかの 厳しい戦いと共にあったと言えるでしょう。 生きとし生きるものすべてに惜しみない愛情を 注ぎ、多くの人々に生きる力を与えてくださった 畑さん...
詩織からも「機械になってまで生きるのは嫌や!」 第 2,748 号
5年後の生存率0%という悪性小児がんが 堀内詩織さんを突如襲ったのは、2003年3歳 の時でした。 しかし、母・志保さんの懸命な介護、 そして地元・高知のお祭りで「よさこい」を 踊りたいという強い思いを胸に、 詩織さんは辛い抗がん剤治療に耐え、様々な 人生の苦難を乗り越え、現在に至っています。 医学の常識を覆し、 20歳を超えて生きる詩織さんの姿は、 人間の生きる力と、意志...
子供は自分がどんな状況にあるか.本能で分かるんです 第 2,739 号
愛する娘の死、首の骨を折る大怪我…… 様々な人生の四季、悲嘆の時を乗り越え、 講演活動を通じて命の大切さ、尊さを多くの 人々、子供たちに語り続けているのが 鈴木中人さんと腰塚勇人さんのお二人です。 命の大切さを伝えるという使命に生きるお二人 に、一度きりの人生を悔いなく生きる要諦、 心の持ち方を語り合っていただきました。 ───────────────── (鈴木) ...