情報は「聞く耳を持つ人」のところに集まる 第 2,922 号

 元キャリア外交官として、北朝鮮や欧米諸国

との交渉現場を見てきた著者だからこそわ

かる、超一級の交渉術とは! お互いの

利害、思惑がぶつかりあう中で、どの

ような駆け引き、戦略、戦術……を

用いて、最終的に勝ちを収めて

いけばいいかを、実際の外交

事例をもとに、ビジネスにも応用

できる形で体系だてて紹介。

 成功事例、失敗事例も含め、これまで外務省の

中だけに蓄積されてきた貴重な交渉経験と、そ

こから導かれた知恵の数々を、初めて一般に

公開したという意味でも、画期的な一冊!

 交渉の現場に行く前にしなければならないこと

は、目標を達成するために必要な情報を徹底

して収集・分析し、それを頭に叩き込んで

おくという作業である。

 人というのは不思議なもので、たとえば電話だけ

で話していたり、メールだけやりとりしていた

時にはしっくりこなかった間柄でも、実際

に会ってみると仲良くなったりする。

 これは対面によって相互に情報量がアップ

し、そのことによって理解が深まったから

である。実際に面と向かって要求をぶ

つけ合い、目標を達成しようとする

交渉が行われる目的もここにある。

 交渉現場における相手の出方について、あら

かじめ可能な限り予測し、そこに常にこちら

が優勢を確保すべく準備しておくためには、

あらゆる角度から交渉相手にまつわる

情報を集めるしかない。

 「相手のことを知らないからこそ、あらかじめ

相手について調べておく」という手間暇をかけ

る気力、そして知力と体力があるかどうか。

そのことが交渉の成否を決定するのだ。

 交渉相手に関する第一次情報を極力たくさん

集めること。これが第一のポイントである。

 情報は「聞く耳を持つ人」のところに集まる。

 私が外務省に入った当初、先輩外交官たちが

しばしば口にする言葉なので、すぐに覚えた

フレーズがある。それは、「外交はロジに

始まり、ロジに終わる」というものである。

 ここで、「ロジ」(ロジスティクス)とは、

たとえば外交交渉を行うための一連の手続

きや配車や宿舎、そして食事などにまつ

わる諸々の準備のことを指す。

 これに対して、外交交渉の現場で交渉団長が

しゃべる内容のことを「サブ(サブスタン

ス)」という。

 簡単にいえば、外交交渉にいたるプロセス全体

から、交渉団長用の発言要領作成の作業を

除いたものが「ロジ」である。

 交渉の半分は、手続きに費やされるということ。

これが第一のポイントなり。

 私は外交交渉の現場に何度も立ち会う中で最初

はいがみ合っていた交渉者同士の心理が、次第

に「場の論理」によって接近していくのを

幾度となく直接体験したものである。

 「組織的な記憶」を蓄積せよ。ビジネスの現場

でいえば、それは企業として「交渉に関する

組織的な記憶」を蓄積し、次の世代に伝え

ていくシステムを作り上げることである。

 戦争が終わったら、やるべきことが一つある。

それは「誰があの戦争を始めたのか」

について確定することである。

 米国では、こうして敵国から集められた、「交渉

に関する組織的な記憶」を今度は自らの公文書館

で整理整頓し、あとに続く世代に伝えることで、

自らの「組織的記憶」にしようという

努力がなされている。

原田武夫 (著)『超一級の交渉術。

         外交官が見てきた』

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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