よい会計は悪いことが起きたときに真実を教えてくれる 第1,331号

 「権力とは財布を握っていることである」

アダム・スミス、カール・マルクス、

マックス・ウェーバー……。

 彼らが口を揃えて主張していた「帳簿」の

力とは、一体何なのか。これまでの歴史家

たちが見逃してきた「帳簿の世界史」を、

会計と歴史のプロフェッショナルが

初めて紐解く。

»なぜスペイン帝国は栄え、没落したのか。
»なぜフランス革命は起きたのか。
»なぜアメリカ独立は成功したのか。
»なぜ日本は急速に列強へ追いつくことができたのか。

 その歴史の裏には全て、帳簿を駆使する会計士

たちがいた! 2008年のこと、太陽王ルイ14世

の財務総監コルベールの評伝を書き終えた

ばかりだった私は、興味深い事実に気づいた。

 コルベールは、上着のポケットに入れて持ち

運べるよう、金色に印字された小型の

帳簿を作っていたのである。

 この習慣は1661年に始まっており、ルイ14世は

年に2回、自分の収入、資質、資産が記入され

た新しい帳簿を受け取った。あれほどの絶

対的地位にいる君主が王国の会計に興

味を示したのは、初めてのことである。

 太陽王が自分の王国の決算をつねに把握するために

帳簿を持ち歩いたのだとしたら、これこそが近代

的な政治と会計責任の始まりだったように見えた。

 会計責任とは、他人の財貨の管理・運用を委託

された者が、その結果を報告・説明し、委託

者の承認を得る責任を意味する。しかし

次に私は、太陽王のこの習慣がすぐ

に終わってしまったことを知っ

て、ショックを受けた。

 よい会計は悪いことが起きたときに真実を教えて

くれるが、ルイ14世は都合の悪いことは見て

見ぬ振りをしたくなかったらしい。

 ルイ14世はやがて会計を遠ざける。野放図な

財政は民衆の恨みを買い、国民の怒り

に火がつき革命がおこる。

 権力者は会計士によって権力を把握し、

会計士を疎んじて権力を失う。

 リーマンショックは、会計事務所が監査責任

を果たさないことによって起こった。

 現代の会計事務所は、企業コンサルと会計監査

を兼務するという根本的矛盾があった。

 中国は会計責任を果たさない超大国。

そこに次の滅びの不安がある。

 権力とは財布を握っていることである。

 マルクスもアダム・スミスも、資本主義

の心臓部は複式簿記にあるとみていた。

 アテネも、古代ローマ帝国も現金の出入りを記入

する単式簿記しかなく、不正がはびこっていた。

 変動する資産の現在価値を現せる複式簿記は

中世のイタリアで発明され、イタリア

の商業都市が興隆する。

 ジェイコブ・ソール『帳簿の世界史』

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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