巨大な日本政府という巨艦を自らの意思で走らせる時代 第 2,857 号

 本書は、初代国家安全保障局長谷内正太郎氏(元

外交次官)の懐刀として創設時から国家安全保障

局次長を務めた兼原氏が、日本の安全保障の

すべてを解説するもの。国際関係の現状

認識から説き起こし、日本の安全保障

政策体制の発展過程、官邸の機能、

経済・技術安全保障の課題、日米

同盟、歴史戦、インテリジェン

ス、韓国との付き合い方、

領土問題の正しいとらえ方までを解説。

 日本の安全保障を2020年の視点で包括的にとら

えた初めての本です。記者も学者も知らない安全

保障体制の情報に基づく、生きた日本外交論の

テキストです。

 工業国家は、政治意識の高い発言する近代的国民

を持つようになり、ゆっくりと時間をかけて必ず

民主化する。民主化のプロセスが完遂するには

100年かかる。しかし、それは歴史の必然である。

 平成時代は、昭和の時代から続く官僚主導の

政治が廃れ、政治主導が復活した時代であった。

 霞が関(官界)の関係省庁や永田町の党執行部

や族議員に権力が分散していた昭和の時代、日

本政府は八岐大蛇のような化け物だった。誰

がどこで何を決めているのか、誰が国民に

国政の責任を取るのか分からなかった。

 今ようやく権力は総理官邸に集約され、国民が

選んだリーダーが、国民に対して政治の責任を

果たすという近代民主主義の理論通りの政治

が実現できるようになった。

 国民が政治に世論という風を送り、その風を

受けて帆を膨らませた政治指導者が、64万人

の職員を抱え、100兆円の予算を執行する

巨大な日本政府という巨艦を、自らの意

思で走らせる時代になったのである。

平成デモクラシーは、令和デモク

ラシーとして完成されるであろう。

 アジアの成長と成熟は歴史的必然である。

英国に始まった産業革命は、地球的規模

で工業化の津波を生んだ。

 それから200年を経て、工業化の波は、ヨーロッ

パ人がかつて永遠の停滞に呪われていると信じ

たアジア全域に広がった。

 筆者は、学生諸君に、64万人の職員を抱える

日本政府という巨大な組織を運営するとはど

ういうことか、国民の意思をくんで政治や

行政を行うとはどういうことか、民主

主義国家において安全保障政策を

司るとはどういうことかを伝え

たかった。それは決して安全

保障の微細にわたる各論ではない。

 国家のリーダーが、安全保障に関し国民に対し

て持つ責任の意味を伝えたかったのである。

 それはいかなる組織にあっても必要なリーダー

としての資質を教えるということであった。

彼らには、将来、いかなる大きな組織に

あってもトップリーダーとして活躍で

きる人材に育ってほしいと願う。

 数百年にわたり多くの偉人を生み出した自由

主義的な世界思想の広がりとつながりがはっ

きりと見える。それは霊性と理性の覚醒が

交錯する系譜である。

兼原 信克 (著)『安全保障戦略』

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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