体調や感情のコントロールなどを常に気をつけているんです 第1,195号

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 1 いつも全力で一所懸命
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 三宅 由佳莉(海上自衛隊

     東京音楽隊三等海曹)

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 自衛隊の歴史の中で、初めての

歌手となった三宅さん。

 いまでこそ「自衛隊の歌姫」として

脚光を浴びていますが、そこに至

る道のりは決して簡単なもの

ではありませんでした。

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──厳しい教育訓練を終えて初めて、

任務に就けるのですね。

 はい。でも、配属当初の私は本当に

使い物にならず、隊員の一員とし

て何も役に立てていない自分

が悔しくて、3年ほどは

歯がゆさを感じ続けていました。

──なぜですか?

 大学ではクラシックを習っていたん

ですけど、音楽隊ではクラシック

だけでなく、オペラや演歌、

J-POP、アニメソン

グなど幅広いジャンルの

曲を歌っていく必要があり、各曲に

相応しい歌い方をマスターでき

ず悶々としていました。

 喉や体の使い方が異なるので、ポップな

歌い方を練習していても、本番になる

と元のクラシック調の歌い方に

戻ってしまうなど、何度も

失敗を重ね、その度に

自分の無能さを思い知りました。

──それをどう乗り越えましたか。

 ありがたいことに、音楽隊の先輩方が

皆、私の歌う姿勢やマイクの使い方

など細かい点まで真剣に指導

してくれました。

 そのため、それまでのプライドは捨て

ゼロからやり直そうと思い、周りの

人の意見を愚直に取り入れました。

 でも、「自衛隊の歌姫」としての前例

がないため、初めの頃は歌う機会自体

も少なく、同期の奏者が様々な場

に参加している間も、私は電話

番や事務仕事をしていること

が多くて、「きょう一日

何をやったんだろう」と虚無感が

押し寄せてくる日も多々ありました。

 やっと演奏会に参加できても、私に与え

られたのは一曲だけだったこともあります。

 その悔しい経験があったから、僅か5分

の一曲、一瞬一瞬を大事に、常に全力で

思いを込めて歌うようになりました。

──一曲一曲、常に全力投球。

 スポーツ選手など、一瞬で勝負が決まる

世界で活躍する方と共通するかもしれ

ませんが、本番の一瞬を最高の出来

に仕上げるのって本当に難しいんです。

 体調や感情のコントロールなどを常に気

をつけているんですけど、その分、人

一倍あがり症で、恥や失敗もたく

さん経験してきました。

 でも、中途半端が一番嫌なので、

いつも全力で一所懸命。

 いまはありがたいことに歌う機会が多く

なりましたが、どんな曲でも手を抜けない。

 よく隊長から「もう少し力を抜け」

と指導されています(笑)。

 『致知』2018年11月号【最新号】

   連載「第一線で活躍する女性」P76

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今回も最後までお読みくださり、

             ありがとうございました。感謝!

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