無理がきく間は無理をしたほうがいい 第 2,757 号

今年は安岡正篤師没後四十年になる。

この機に弊社では
師の講話録集『活学―人となるために』を復刻、
刊行させていただくことになった。

本書は、安岡師が公職追放を解かれた
昭和二十六年より、
毎月一回大阪で開講された「先哲講座」が
百回を迎えたことを記念し、
昭和四十年に刊行されたものである。

六百ページを超す大冊だが、この本の中に
「不惜身命」「但惜身命」の言葉が記されている。

安岡師は言う。


「仏教から言うならば、
 道というもの、法というものは、
 なにものにも代え難い尊いものであって
 その尊いものを求め行ずるためには、
 この身この生も惜しまない
 ……これを『不惜身命』という」


「その尊い法を求め行ずるが故に身命を
惜しむ ……これを『但惜身命』という」

そして、こう結ぶ。


「但惜身命なるが故に不惜身命である。
 身命を惜しまずしてただ法を求むるのである。
 求むるが故に身命を惜しむのである」

一見矛盾するようだが、どんな道であれ、
一道に命をかけて打ち込んだ人は、
皆こういう覚悟をもって
事に臨んでいたのではないかと思われる。


  (中略)


この度、WBCの戦いで
名将栗山英樹監督の率いる
侍ジャパンは三度目の世界一に輝き、
日本中を沸かせた。

選手たちは皆めざましい活躍をしたが、
中でも衆目を集めたのは大谷翔平。

数年前、その大谷にイチローが
アドバイスをしていた言葉がある。


「無理がきく間は無理をしたほうがいい」


無理をすることは大事だ。

無理をするから実力が養われる。

しかし、無理がたたって
へたり込んでしまうような無理は
しないほうがいい。

そのバランスを自分で見極め、
無理をすることが向上に繋つながる。

イチローの言っていることは不惜身命、
但惜身命と同義である。

イチローもまた、この二つの言葉の体現者と
窺い知ることができる。


 ※『致知』最新号(2023年5月号)
総リードより

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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