人間に限界ってないんですよ自分の心がつくっているだけです 第 2,944 号

 2023年7月、福岡で開催された世界水泳選手権
にて、日本アーティスティックスイミング界の
絶対的エースと名伯楽が一躍脚光を浴びました。

ソロ種目で2個の金メダルを獲得し、
2大会連続2冠の偉業を成し遂げた乾友紀子さんと、
その専属コーチとして指導に当たった
“メダル請負人”の異名を取る井村雅代さん。

東京五輪での悔しさを糧に、
二人三脚で特訓の日々を
積み重ねてきたといいます。

いかなる努力によって自己を磨き、
世界の頂点を掴んだのでしょうか。
お二人の戦いの軌跡から、
勝利する者の条件を探ります。

…………………………………………………

[乾]
どれだけ練習時間があったとしても、
そこに全力で打ち込める体力と
メンタルを調えておかなければ、
同じ時間練習しても全然身にならない。

ですから、練習以外の時間に行う
食事や身体のケアが大事になってきます。

この競技は脚で表現するので、
脚が綺麗じゃないとダメ。

脚が浮腫(むく)まないように飛行機に
乗る時や寝る時もテーピングをグルグルに巻い
たり、長時間立ったり座ったりしていると明日
の練習に響くなとか、日常生活の中でそういう
ことを考えながら、ベストコンディションで
練習に臨めるように自己管理を徹底していました。

私は特別な能力を持っているわけでもなく、
人よりも努力できるタイプでもないんですけど、
この競技が好きで好きで仕方がないという
アーティスティックスイミングへの愛、
それだけは強く持っていて、
誰にも負けないんじゃないかと感じています。


[井村]
私が見ていて感じる彼女の強みは、
先ほども少し言いましたけど、とにかく素直。
それは他の選手と全然違いましたね。

私が言ったことに対してポンとすぐ反応して
くれる、やろうとしてくれる。だから、無駄な
時間が要らないし、どんどん伸びていく。

反対に、自分の理屈を通してこちらが提案した
ことを素直に受け入れない人がいて、
私はそういう人は心のシャッターを
下ろしていると言っているんです。

シャッターを下ろしていないまでも、
心にバリアをつくっている人が多い。

私はそういう人に対してストレートに
「損だよ」って言います。

「一回受け入れたら?」
「自分を守って得してるようだけど、損してるよ」
「理屈はいいからまずやってごらん」
「人の助言を一回試す勇気を持ちなさい」
「何でも面白がってやらな」って。

いつも言うんですけど、人間に限界ってないん
ですよ。自分の心がつくっているだけです。
素直な人って自分の可能性を引っ張っていく
ことができるんです。


*お二人の対談では、

・世界選手権2連覇に懸けてきた思い

・結果を出せるのは、結果を決めているから

・結果が出てこそ頑張った日々が輝く

・二十年来の師弟関係 その出逢い

・勝利を掴む人と掴めない人の差

などについて、熱く語り合っていただきました。


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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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