ロシアは天然資源に依存する異形の経済である = 2-2 = 第 2,872 号

 今回、ロシアの情報機関は、ロシアのエリート層

のいい加減な国際情勢認識に合わせたような

レポートを、上に上げ続けていたと思われる。

 補給。おおげさなことを言えば、戦争は補給で

決まる。兵隊は飲み食いしなければ動けない。

弾薬がなければ戦闘ができない。

 守るほうも、食糧が切れたら降参するしかない。

これをすべて担っているのは、補給・ロジス

ティクだ。

補給とは、現場の状況を考えて、必要なものを

必要なときに届ける想像力、思いやりの問題

でもある。

 「植民地」が必要なロシアの経済力。

 キエフは1240年、モンゴルに制圧される。

モンゴル統治をのがれたノヴゴロドも、

1478年にはモスクワ大公国に併合され、

のちに、イワン雷帝によって市民を虐殺され、

その自由を奪われる。

 一方でモスクワはモンゴル来襲以後、

モンゴル人支配者のための税金集めを請け負い、

これを着服することで急に伸びた新興勢力だ。

やがてモンゴル勢力を駆逐すると、ウラル山脈

を越えて征服を開始。300年かけて今のロシア

のもとを作った。

 いまでも記憶に新しいのは「ガス戦争」だ。

ガスの通過料引き上げなどで、何度ももめて、

てんやわんやだった。

 最後にはウクライナのチモシェンコ首相が

プーチンと直談判してガス価格の値下げを

勝ち取ったりしていた。この美人の

チモシェンコ首相がモスクワにやってくるたび、

プーチンは苦笑い。でも満更でもない顔で彼女

のいうことを受けていた。

 いままでは、ウクライナ・ロシア関係という

のは、表面では殴り合っていても、テーブルの

下では手を握ることが多かった。

 ロシアが魅力ある経済社会を築いていれば、

ウクライナのほうからロシアに寄ってきていた

だろう。しかし、それは無理だった。

 ロシアは、天然資源に依存する異形の経済

である。

 ただ資源だけでは1億4000万人の国民を

食わせるだけの富は生まれない。資源輸出の

利権は少数の特権者に集中しやすく、途方も

ない格差を社会に生み出すもとになる。

 制裁がたとえ緩和されたとしても、

資源以外の産業が発達しないと、

民主主義の基盤となる中産階級が生まれない。

 いまのロシアの中流は、そのほとんどが中央・

地方の公務員、国営・公営の社員、学校教員

などで、政府予算に依存して生きている。

ときには政府を批判する、健全な中産階級では

ないのだ。

ロシアの製造業には、「サプライチェーンの

不備」という問題もある。

河東 哲夫 (著)『日本がウクライナになる日』

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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