現代落語のバイブルになればよいと思っております 第 2,165 号

 落語黄金期と言われた三越演芸会を彩った天才

落語家12人の名人にスポットをあて、極めて

貴重な名人直筆の「感どころ」(梗概)から、

いかに名人達の至芸が演じられたのか

を掘り起こします。

 昭和30年~40年の落語全盛期においての不出

噺家たちが残したこの直筆の「感どころ」

は、名人達の芸の裏側に隠された、噺の

仕立ての記録資料として初めて紹介

されることになります。

 直筆の「感どころ」には、現名人が、先代の

噺家が守り演じ続けた落語とは違った観点、

自分流の笑いをとるための創意工夫

された噺の筋が記されています。

 「感どころ」においてのポイントを紹介させて

いただくと、志ん生は文章においても感性を

重視文楽は噺のディティールへのこだ

わり円生は心理描写及び落語の歴史

三木助は粋な落語の美学金馬は己

の博識とあらゆる書物からの落語

に対する研究小さんは芸に

対する真摯な姿勢正蔵は

映像的に噺をとらえている、云々─。

 現代の落語家の多くは、噺のルーツを調べ

ようともせず、無頓着な状態で落語

を語っています。

 先人を知ることが、そして先人に対する尊敬

の念こそが伝統芸能を発展させる大きな

要因だとわたしは思っています。

 わたしを含む現在最先端にいる落語家は

己の感性を信じて好き勝手に演出して

落語を演じているが、先人たちから

教えを請う姿勢がなければ伝統

芸能としての落語はやがて

滅んでしまうのではない

かという思いが、今回の「感どころ」を

読み進めていくうちに大きくなっていきました。

 本書は落語の貴重な資料であると共に、現代

落語のバイブルになればよいと思っております。

 昭和落語の最高峰、また師匠談志が一番憧れて

いた落語家。生の高座を見たことのないわたし

でも落語を聴き始めたきっかけに当然志ん生

師匠は入っています。わたしが一番最初に

好きになったのは三代目金馬師匠、

もちろん古い映像ですが─。

 今でこそ落語界において昭和の最高峰は

志ん生師匠ですが、当時は文楽師匠への

ライバル心はあっても、自分のポジシ

ョンがそんなに高いところにある

とは当然思ってなく、実際、

評価だって今ほどではなかったと思います。

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  今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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