日々生き抜く中で気づかないうちに人間は成長していく 第 2,153 号

人生では、大切なものを手放さなくては
いけない瞬間が誰にでもやってきます。

テレビの人生相談のコーナーにも登場される
シスター・鈴木秀子さんは、『致知』に連載中
の「人生を照らす言葉」7月号の中で。


その時のために覚えておいたほうがよい言葉を
教えてくださっています。


───────────────────

(鈴木)

人生には自分の努力ではいかんともしがたい
出来事がたびたび訪れます。
例えば身近な人の死や自身の病気、老いもそう
でしょうが、手塩にかけて育てた我が子との別
れもその一つです。

いつまでも傍にいてほしいと願っても、
そういうわけにはいかないのです。

私は「聖なるあきらめ」という表現をよく用い
ますが、どうにもならない現実に直面した場合、
大事なのはそれに執着せずにあきらめることです。


とはいっても、そのことによって自暴自棄や
投げやりになっては意味がありません。
あきらめることがお互いの人生にとって
成長をもたらすと前向きに捉えるのです。

その意味において、『致知』で何度か紹介され
た、愛媛で障碍者施設を運営する塩見志満子さん
の生き方には大変心打たれました。


塩見さんはもともと高校の体育教師をしていた
方ですが、当時小学2年生だったご長男を
白血病で亡くされ、その数年後にはご次男が小学
3年生の時にプールの事故で亡くなります。


しかも、その事故は誰かから背中を押され
コンクリートに頭をぶつけてプールに沈むと
いう、親にとってこれ以上の悲しみはない
ほどの出来事でした。


しかし、塩見さんご夫妻は、背中を押した子の
将来やご両親のことを思って犯人探しをやめ、
許す決断をされるのです。


その結果、お子さんの命日に墓前に花が絶える
ことのない温かい人間関係が生まれたと語られ
ています。


塩見さんご夫妻のこの「許す」力は
どこから生まれたのでしょうか。
それはご長男を白血病で手放した時に、
その事実を受け入れたご夫妻が魂の大きな
成長を遂げられていたからだと私は思います。

子供を手放す時の状況は人によって様々です。
大きな飛躍を願って送り出すこともあれば、
塩見さんご夫妻のように想像を絶する
悲しみを伴うこともあるでしょう。
いずれの場合でも、そこには苦しさや孤独が
伴います。それでも、その苦悩にじっと耐え
ながら、日々を精いっぱい生き抜く中で、
気づかないうちに人間は成長していくもの
なのです。

致知出版社の人間力メルマガ

  今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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