徹底してやりきるそういう「魔」としか言いようのない情熱、狂気 第1,381号

明治・大正・昭和と近代日本の構築に
貢献した創業者に数多く接し、
多くの優れた作品を残した
作家の城山三郎さん。

14年前のインタビューでは
「魅力ある経営者たちに共通したもの」
テーマに、含蓄あるお話をいただきました。

その中で城山さんは、
「渋沢栄一は3つの魔を持っていた」と
話されています。
その魔とは、いったい何を指すのでしょうか。

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 「魅力ある経営者たちに共通したもの」

   城山三郎(作家)

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日本信販の山田光成さんは
断られても断られても百貨店に通い詰めて、
とうとう何社かを説得して契約し、
日本信販をスタートさせる。

口で言ってしまえば簡単です。

だが、百貨店と契約するまでには
筆舌に尽くし難い苦労があったはずです。

いろいろなアイデアを抱く人はたくさんいます。
だが、それを創業に持っていき、
軌道に乗せられるかどうかの
境目はここなんですね。

多くはここを乗り越えられず、
アイデアは単なるアイデアで終わってしまう。

【本誌】

その境目を乗り越えさせるものはなんですか。

「魔」でしょうね。
情熱と言ってもいいし狂気と言ってもいい。
何かをやるなら「魔」と言われるくらいにやれ、
「魔」と言われるくらいに繰り返せ、ということです。

渋沢栄一は埼玉の農家から出てきて一橋家に仕える。
侍になりたいんですね。
ところが、割り当てられたのは勝手番。
これでは上の人と話し、認めてもらうチャンスがない。

だが、上の人が毎朝乗馬の訓練をする。
この時なら話すチャンスがあるということで、
渋沢は馬と一緒に走って自分の思いや考えを上の人に話す。
毎朝それをやる。

すると、あいつは見どころがあるということで、
そこから彼の人生は開けていく。

渋沢は3つの魔を持っていた。

吸収魔、建白魔、結合魔です。

学んだもの、見聞したものをどんどん吸収し、
身につけてやまない。
物事を立案し、企画し、それを建白してやまない。
人材を発掘し、人を結びつけてやまない。

普通にやるんじゃない。大いにやるのでもない。
とことん徹底して、事が成るまでやめない。
そういう「魔」としか言いようのない情熱、狂気。

根本にそれがあるかないかが、
創業者たり得るか否かの分水嶺でしょう。

 『致知』2005年2月号

         特集「創業の精神」

 今回も最後までお読みくださり、

       ありがとうございました。感謝!

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