人生に無駄なことは一つもありません 第 3,025 号

100円ショップの先駆けとして知られ、
現在国内外に約5,200店舗、
売上高は5,800億円を超える
業界最大手「ダイソー」。

同社をゼロから立ち上げ、
今日の繁栄へと導いてきた矢野博丈さんが
2024年2月12日にお亡くなりになりました。
80歳でした。

弊誌『致知』では何度も対談をしていただく
など、多大なるご恩顧を賜りました。
生前のご厚情に感謝を表し、
最後の登場となった2024年1月号の
連載「二十代をどう生きるか」より、後から
来る世代への熱いメッセージをお届けします。

─────────────────

<矢野>
私の20代は、恵まれたいという一心で
必死にもがき続けた10年間でした。

運命の女神を恨み続ける日々でしたが、
27歳の頃に参列したある結婚式で
京都のお坊さんがこんな話をしていました。
「好むと好まざるとに拘らず、これから
お二人には艱難辛苦が押し寄せてきます。それを
乗り越えたら、きっといい人生が送れるでしょう。
人生に無駄なことは一つもありません」と。

その言葉を聞いた時、「何を馬鹿言うんだ。
俺の人生無駄しかないじゃないか」と腹を立て
ましたが、帰りの電車でふと考えてみると、
私は人一倍艱難辛苦を与えられたではないか。
もしかすると運命の女神に見限られているの
ではなく、運がいいのかもしれない。

そう思うようになってから、
心の霧が晴れ始め、
少しずついいことが起こるようになりました。

以上の話を踏まえ、
20代を生きる方々にお伝えしたいのは、
苦労ほど有り難い恵みはない、ということです。

幾多の苦労に見舞われるということは、
もっと徳を積み、幸せになりなさいという
神様からのエールなのです。
困難に揉まれ、人間が鍛えられた先に、
回り回って徳や運が味方につき、
自ずと運命は拓けていくのだと実感します。

一方、恵まれることは不幸が訪れる序曲です。

戦後日本は高度経済成長で発展したものの、
現在は経済成長率を2%に
乗せることさえ容易ではありません。
現状に甘んじた瞬間、国も会社も人も
衰退の一途を辿ります。


ダイソーでは商品開発と仕入れに注力し、
いまでは毎月1,200を超える新商品を手掛ける
など、お客さんを飽きさせないように
絶えず工夫を凝らしてきました。
常に危機感を持ち続けることが
新たな知恵や挑戦に繋がり、
思いがけない未来を形づくる糧になるのです。

恵まれない幸せ、恵まれる不幸せ──。
これが、私の経験から伝えたい教訓です。

いま20代を生きる方々にはこの言葉を理解いただき、
感謝・勤勉・誠実な姿勢であり続けてほしいと
願っています。


(※本記事は月刊『致知』2024年1月号
連載「二十代をどう生きるか」より一部抜粋・
編集したものです)


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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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