本気を出したら日本人はやっぱり立ち直るんだ = 2-2 = 第 3,013 号

この10数年、日本は世界から駄目だ、
駄目だと言われ続けていますね。
しかし、1980年代に欧米の講演会に行った時に
向こうの人は、日本の企業のあり方も、
社会のあり方も、そして教育のあり方も、全部
素晴らしい。そして、いかに日本に学ぶかが
一番大きな課題なんだ、と言っていたんです。

その結果、日本と欧米の立場は逆転しました。
それでこの10数年は、アメリカでもヨーロッパ
でも、日本はどうなっているのか、いつ立ち
上がるのかと。いまの日本は、企業のあり方が
まずい、教育はもうまったくまずい、
何もかもまずいと言われているんです。

〈牛尾〉
おっしゃる通りです。

〈安藤〉
でも、そうは言われながらも、
実は日本人はそれほどレベルの低い
民族ではないと僕は思っているんですね。

1995年の阪神淡路大震災の日に、
僕はちょうどロンドンにいたんです。
次の日に日本に帰ってきて被災地を見た時に、
これはもう復旧も復興もとんでもないと
思いました。


ところが、半年くらいの間に倒れた高速道路は
起こし、新幹線は走らせ、倒壊した建物も
ある程度整理ができて、日常生活には
ほとんど問題がないくらいまで回復させました。
この姿を見て、日本人はやっぱり
いざとなったらすごいなと実感しました。

緊張感を持ち、企業と行政と
民間人が垣根を越えて力を合わせると、
すごい力を発揮する。ギリギリの状態まで
追い込まれて本気を出したら、日本人は
やっぱり立ち直るんだなと思ったんです。

ですから、世界中から大変だと言われながら
日本がなかなか立ち直れないのは、
まだ結構余裕があるからだと思うんですね。
余裕があるから緊張感も出ないんです。

〈牛尾〉
なるほど、おっしゃる通りです。

〈安藤〉
僕自身も、最初からチームは小さい、
学歴はない、社会的ネットワークもないという
状態からスタートしましたから、
とにかく自分の力だけでやるしかなかった。

そのためには、負けても決して諦めないように、
精神的に頑丈でなければならないし、
体力もできたら30代のままで75歳くらいまで
仕事ができるように鍛えておかなければいかんと。
その気持ちでずっとやってきましたから、
負け戦もそれほど気にならずにきたんです。

ですから、日本人はもっとギリギリの状態に
置かれているほうがいいと思うんです。

〈牛尾〉
同感ですね。

〈安藤〉
その点、日本の経営者は
ものすごく闘っているんですが、
学生はぬるま湯の中を泳いでいますから、
彼らにはもう少し、この国は大変なんだぞ
ということを言ってもらったほうがいい、
と思いますね。

(※本記事は『致知』2003年11月号
特集「仕事と人生」より一部を抜粋・編集
したものです)


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