人の放つ一言が.人生をどうにでも変えてしまう言葉を丁寧に使おう 第 2,413 号

「たぶん一生寝たきりか、
車椅子の生活になるでしょう」
首の骨を折る大けがにより、
充実した教員生活から一転、
人生の奈落に叩き落された腰塚勇人さん。

一時は自殺まで考えたという
苦悩の底から氏はいかにして立ち直り、
見事社会復帰を果たしたのでしょうか。

─────────────────

実は怪我をするまで、僕は競争が大好きな人間
でした。「常勝」が信条で、人に負けない
生き方をずっと貫いていたんです。
だから「助けて」なんて言葉は
口が裂けても言えない性分でした。

それが怪我ですべて人の手を
借りなければならなくなりました。
僕が一番したくない生き方でした。
苦しいし、泣きわめきたいし、「助けてっ!」
って言葉が口元まで出かかってくるけど、
プライドが邪魔してそれを言わせない。
ここで弱音を吐いたら、
家族に余計に心配をかけてしまうと思うと、
なおさら言えませんでした。

皆に迷惑をかけた分、なんとかしたいって
気持ちでいたんですが、そのプレッシャーや
苦しさに押し潰されそうになってしまって……

僕はとうとう舌を噛んだんです。
だけど結局、死に切れなかった。

あとには生きるという選択肢しかなくなりました。
じゃあ明日から前向きに生きられるかといったら、
それは無理です。自分を押し包む苦しさが
なくなったわけではありませんからね。

そんなある晩、苦しくて寝つけないでいると、
看護師さんが声をかけてくれました。
「腰塚さん、寝ないと体がもちませんよ。
睡眠剤が必要だったら言ってね」って。
その言葉に僕の心が反応しちゃったんです。
おまえに俺の気持ちが分かってたまるかって、
無意識に彼女をグッと睨みつけていました。
その看護師さんは素敵な方でね、僕の様子に
ハッと気づいてすぐに言ってくれたんです。

「腰塚さんごめんね。
私、腰塚さんの気持ちを何も考えずに、
ただ自分の思ったことを言ってたよね。
でも腰塚さんには本当に少しでもよく
なってもらいたいと思っているから……、
なんでもいいから言ってほしいです。
お願いだから何かさせてください」

看護師さん、泣きながら
そう言ってくれたんです。彼女が去った後、
涙がブワッと溢れてきました。あぁ、この人
俺の気持ちを分かろうとしてくれてる。
この人にだったら俺、「助けて」って
言えるかもしれないって思えたんです。

それまで僕は周りから
ずっと「頑張れ」って励まされていました。
僕のことを思って言ってくれているのが
分かるから決して言えなかったけど、
心の中は張り裂けそうでした。

俺、もう十分頑張っているんだよ……、
これ以上頑張れないんだよって……。
だから救われたんです。
あの時以来、凄く思うんです。人の放つ一言が、
人生をどうにでも変えてしまうんだなって。
だから自分は言葉を丁寧に使おう。
言葉をちゃんと選んで、丁寧に使おうって。

泣くだけ泣いた次の朝、
目が覚めるとベッドサイドに
飾られていたお見舞いの花が
ふっと目に入りました。
その時思ったんです。
「せめて……

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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