現代人の心の奥底にある 潜在ニーズを鷲づかみにする 第 166 号

 世の中の流れとは真逆の発想で人気を

博す温泉宿が長野県にあります。

不足、不便、不揃いこの3つをセンスよく

磨き上げることで宿泊客の心を鷲づ

かみにする手法が斬新で面白い!

────────『今日の注目の人』──

◆ 不便さをセンスよく磨き上げる ◆

金井 辰巳(花仙庵 仙仁温泉 岩の湯社長)

───────────────────

 その一つとして館内の環境づくり、

演出には随分心を配っています。

 当旅館ならではの洞窟風呂はその代表

ですが、他にも例えば、廊下の一部は

それまであった壁やガラス張りの

部分を取り外し、外の自然と

融合できる空間にしました。

 暖房の効いた廊下の先にある自動ドア

が開くと、そこには屋根と廊下しか

ない豊かな雪景色が広がり、その

空間を抜けて次の自動ドアを

進むと、再び暖かい廊下が

待っているというイメージです。

 紅葉のシーズンですと、

枯れ葉が舞い落ちます。

 それを踏んで自然の感触を味わって

いただく、遠くの絶景ではなく

身近な環境です。

 このような廊下を随所に作ったのは、

現代人が便利さや快適さを追求する

一方で、忘れてしまっているもの

があるように思ったからです。

 私たちは不足、不便、不揃いという

不の部分にこそ、便利さに慣れた

現代人の心の奥底にある潜在

ニーズがあると考え、それ

らを最高に生かすことを

とても大事にしています。

 つまり、ただ不をそのままにするの

ではなく、それらをセンスよく

磨き上げる。

──不便さを磨き上げる?

 ええ。例えば、外の廊下には厚みのある

本物の原石を敷き詰め、その下には温泉

の管を引いて融雪し、お客様が滑ら

ないよう安全にしています。

 外庭は動きを持たせるために山の沢水

を引いて水の音色を楽しんでいただ

けるようにしました。

 ソフト面では、例えば冬の真っ白な雪

のシーズンでも、昔ながらのどてらを

アレンジしたオリジナルの防寒着を

準備して、いつでも暖かくお部屋

から外に出るのが楽しくなる

よう工夫させていただいています。

※かつては寂れた、静かな温泉宿がいかに

して稼働率100パーセントの人気旅館

に変貌を遂げたのか?

 その軌跡は本誌でお楽しみください!

  『致知』 2016年4月号 

         特集「夷険一節」P44 

  今回も最後までお読みくださり、

        ありがとうございました。 感謝!

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