落語を見るのに、センスはいらない。一人の着物
を着た人がただ座布団に座って話をするだけ。
古典落語になると、観客も話の筋も落ちも
わかっていることがある。そんな演芸が
なぜ日本人をこんなに惹きつけるのか?
本書では、人気落語家5人が演芸写真の第一人者
に、落語ならではの魅力を語り、さらに自身の
落語との向き合い方を本音で語る。「噺の
全体を聴いていただくことで、脳をゆっ
くりほぐしてる」(春風亭昇太)、
「(落語は)ドラえもんの四次元ポケット
みたいなもの」(桂宮治)、「落語の強さは、
やっぱりわかってる奴がいかに順番、役割
の自覚を持って最後のトリに渡して
いくか(による)」(笑福亭鶴瓶)、
「奇跡的な空間そのものがすごくいい」
(春風亭一之輔)、「日本人が日本人らしく
幸せに、のんきに生きられる方法論」(立川志の輔)
――。観客と演者の狭間に身を置く立場だから
こそ引き出せる、奥行きのある話が満載!
落語を楽しめるコツは、なんにも考えずに、行け
ばいい。落語がおもしろくないと思ったら、
お客さんがいけないんじゃなくて、演者
がいけない。
演者がきちんと想像しているか、
どうかは、見ればわかる。
落語は、脳をゆっくりほぐしている。
余計な知識を入れないほうが、
落語は楽しめる。
落語って、「世の中いろんなことがあるけれ
ど、幸せそうなことだけ見つけて生きている
人たちの物語」じゃないかな。
春風亭昇太は、大学に入ったときに、入りた
かったサークルにたまたま人がいなくて、
となりの部室が落研で、「遊んでったら?」
といわれた。
そのうちビールとかご馳走になって、
断りづらくなった。しかも落研だか
ら先輩たちがずっと冗談をいって
いるから、「もういいや、ここで」
とおもって入った。
ある師匠が、「数年に1回、すべての空間を
掌握できたような、手の上に乗ったような気
がするときがある」と言っていた。
あれを経験したら、たぶん落語家をやめられ
ない。自分が神様になる感覚。
落語がもっている独特の世界観。登場人物
を全部俯瞰して見ているということ。
パントマイムの練習は、落語に一番
役立っている。
劇場には、落語の神様がいる。
橘 蓮二 (著)『落語の凄さ』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!