センス、バランス感覚、度胸+日常の読書と散歩 第 506号

 桁外れの読書量、散歩中に経営判断、知的好奇心

を磨く、内助の功…。

 初公開!偉くなる人たちのマル秘生活術。

 読書量と出世は比例する。

 読書派には、ひと味違った「何か」を感じた。

 古典で修羅場を疑似体験する。

  東京電力会長の數土文雄はこういっている。

「組織である程度上に行くと、修羅場をくぐる。

その点、古典ではとくに、修羅場の経験を本の

上ですることができる。

 世界の歴史の中で、大変な運命の分かれ道に

あって、人と人とが会話するその瞬間を活写

しているわけだからそれを疑似体験できる。

 そういうのを読まないでリーダーになって、

本当に修羅場をくぐっていけるのか、

と僕は思いますよ」

 散歩は経営判断の場である。

  旭化成に宮崎輝という名物経営者がいた。

 宮崎さんは、言っていた。

「散歩は大事な時間なんだ。

歩いているとよく考えがまとまるし、

経営判断はほとんどここでしている」

 宮崎さんは、勉強についてこういっていた。

「半導体に進出するにあたっては、ずいぶん勉強

したよ。

 次の世代の経営にとって、根幹を握る事業に

なるかもしれないからね。

 電気はどう流れるかという初心者用の本から

始まって、半導体の原理を書いた専門書まで、

20冊以上は読んだかな」

 野村証券の田淵社長は休みの日には、地元の

渋谷をはじめ、新宿、赤坂、六本木と、

タウンウォッチングに出かけると知った。

 森羅万象の情報が飛び交う株式市場を相手に

する商売だけに、常に感受性のアンテナ

張り巡らせていなければならない。

 読売新聞に入社後、新人研修で各部門の

ベテランが話をしてくれた。

 十数人にのぼる講師陣の中で、桁違いに

面白い話をしてくれたのが、当時、解説部長

だった渡邉恒雄・現読売新聞グループ本社

主筆だった。

 とにもかくにも、話の迫力、話題の豊富さで、

他の講師を圧倒していたのを覚えている。

 渡邉さんが語った話の断片は、

次のようなものだった。

「記者は、相手の懐にいかに飛び込むかが大事だ」

「中曽根康弘さんとは親しい付き合いだが、

酒を飲んでいるばかりではない。

 定期的に勉強会を開き、専門書哲学書などを

輪読している。

 記者は忙しさにかまけて勉強しなくなるが、

そんな奴は大成しない」

「記者である以上、常に原稿を書く姿勢を

失ってはいけない。

 自分は署名入りでどんどん書くし、今の政治

部長にも、もっと書くべきだと進言している」

 渡邉さんの迫力ある講義の合間に放った、

「記者は常に、好奇心を忘れてはいけない」

という言葉が印象的だった。

 渡邉さんには、知的好奇心と

腰の軽さがあった。

 みずほ銀行のトップだった前田晃伸さんの

関心は、金融にとどまらなかった。

 時間さえあれば、「ネイチャー」「サイエンス」

「ニュートン」といった科学雑誌を楽しそう

に熟読していた。

 「実務書ばかり読んでいると発想が凝り固まる

からね」といっていた。

 おもしろいのが、水野勝・元国税庁長官だ。

 斉藤さんなどと比べると知名度は高くないが、

大蔵省では「税の神様」と言われた

ほどの逸材だった。

 水野さんは1955年に大蔵省に入った。35年間

におよぶ大蔵人生のうちで、主税局・国税庁

以外の部署にいたのがわずか数年という、

まさに税金一筋のスペシャリスト

だった。

 水野は主税局長に就任し、1300日間の任期中に

売上税廃案と消費税法案成立の2つを指揮した。

 消費税に関して、みずから「五百人行脚」と呼んだ

政界、民間企業、労働組合などへの根回しの結果、

初めて大型間接税を日本に導入した最大の

功労者といっても過言ではない。

 その水野が主税局長として采配をふるうにあたって

は、審議官や課長クラスに主税局の経験が長い

人物を据えたと考えるの常識だろう。

 しかし、意外にも税の素人を数多く配置した。

 「税の素人」集団だったからこそ、「五百人行脚」

という地道な根回しを完遂できたのだという

のが、当時を取材していた筆者の実感だ。

 多くの大蔵・財務官僚を見てきて、筆者なりに

まとめた「出世3点セット」なるものがある。

 「センス、バランス感覚、度胸」

 「センス」は、物事を俯瞰的にとらえる幅の

広さや、アイデアの豊かさ。

 「バランス感覚」は理に走りすぎたり、

情に流されたりしない平衡感覚だ。

 センスとバランス感覚で優れた政策をまとめ

られるのに、最後に一歩踏み出す勇気を

持てない人が多い。

 その2つに度胸をもった人が、トップに

上り詰める。

 岸宣仁

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今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。感謝!

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