日本の伝統文化に魅せられ、
全国各地を巡り寺社仏閣や史跡、
自然の姿を写真に収め続けている
フランス人写真家のバッハ・サシャさん。
サシャさんがご自身の写真を通じて
日本人に伝えたいメッセージとは。
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(バッハ・サシャ)
……私と日本を繋ぐ不思議な体験をしたのは、
地元の大学を卒業後、
特にやりたいことも見つからず、
ヒッピーのように一人で
フランス国内を旅している時のことだった。
ヒッチハイクした車でカトリックの
聖職者たちと乗り合わせたのだが、
話題が信仰の問題に及んだ際、咄嗟(とっさ)
に「自分の前世はジャパニーズだ」
と答えてしまったのである。
なぜそんなことを言ってしまったのか、
いまも分からないが、その聖職者たちは
私の発言を否定せず受け入れてくれた。
他の人たちと乗り合わせていたら、おそらく
そのようなことは決して言わなかったし、実際に
日本に行こうとまで思わなかったかもしれない。
2004年、30歳の時に念願の日本行きの
航空チケットを手に入れたのだが、
あろうことか、世情に疎かった私は
パスポートの存在を知らず、
空港で足止めを食らって断念となった。そして
2年後、今度はパスポートもきちんと用意し、
ようやく日本の地を踏むことができたのだった。
安価なゲストハウスに泊まり、
自転車を借りて主に京都を中心に巡った。
比叡山も訪れた。フランスで思い描いていた
イメージそのままの日本があり、
とりわけ神社仏閣などの建築物に感動した。
線香の匂いにも日本を感じた。
以後、フランスでアルバイトをしてお金を
貯めては憧れの日本を訪れる、という
生活が始まった。
途中からレンタカーを借りるようになり、
全国を隈なく走って、
これはという文化財や自然の風景を
カメラに収めて回った。訪れたことのない
都道府県は宮崎県と沖縄県ぐらいで、
時に地元の人でさえ容易に訪れない山中や
断崖絶壁にある古い社や石仏を見つけて撮影した。
★本記事は、『致知』2024年1月号
「致知随想」より一部抜粋・編集したものです。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!