国民に富があってこそ.真の文化が創造できる 第 2,286 号

 1944年に発刊されたこの書物は、すでに

ベルリンの壁崩壊という歴史的大転換の

要石となる思想を提供していた。にも

かかわらず、日本ではその意義が

まだ十分に理解されずにいる。

 いまこそハイエクを読み直すべきである。「自由

主義こそが経済繁栄を生む」「自由は民主を凌駕

する」「統制と保護は発展を阻害する」「権力

者は未来を見通せない」「福祉国家という

罠」――経済が統制されることは、自由

そのものが奪われることに等しかった。

 「生産よりも収奪」がスペイン没落の理由なり。

 土地支配の次の段階の商業支配に本格的に気

が付いたのは産業革命後のイギリスだった。

 「国民の富」を奪えば、国は自滅する。

 レーニンに始まり、レーガンに終わる。

 私はレーガノミクスこそ、レーニンの

経済政策に匹敵するだけの歴史的

価値を持ったと考えている。

 レーガン大統領の歴史的な政策とは何か。

それは、所得税の大減税である。

 レーガンの所得減税策は、アメリカ国民が

使える金を大幅に増やし、景気を良くし

た。所得減税は、国民を豊かにする。

 ハイエク先生は、徹底した

自由主義者だった。

 社会主義経済は、どんな穏健なものでも、

結局は一握りのエリートが計画し、命令

する統制経済になる。つまりは命令

経済になる。それならば、いかに

混乱しているように見えても、

「闇市」のほうがよい。

 自由市場は、誰かの命令を受けて取引が

行われたりしない。ある商品が欲しい人

と売りたい人の欲望が、価格を作り出す。

 パトロンが小粒なら、文化も小粒になる。

 いちばん大切なものは、「国民の富」である。

 税率を高くすれば、中流が没落する。

 国民に富があってこそ、真の文化が創造でき

る。文化の本質は、気まぐれと酔狂。

 税金が減れば、政府は小さくなる。

 国民の富は、自由経済市場にある。

渡部昇一『ハイエクを読み直す。

      自由をいかに守るか』

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今回も最後までお読みくださり、

   ありがとうございました。感謝!

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