人間の弱い一面に触れることで深い人間理解に至ることができる 第 2,028 号

2021/02/02 (火) 7:31

最新号「名作に心を洗う」が発行されました。

表紙を飾っていただいた鈴木秀子さんは
『致知』連載「人生を照らす言葉」で
お馴染みです。

今回は、作家で精神科医の加賀乙彦さんと
対談いただきました。

戦争体験、カトリック信徒という共通点を
持つお2人はどういう名作に触れて、苦難
の時期を乗り越えてこられたのでしょうか。

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をご紹介!
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(加賀)
鈴木先生は人生に悩んでいる人たちに力を
与えてくれる名作として、どのような
本を挙げられますか。


(鈴木)
いろいろな本がありますが、例えば、一見、
自己の存在を否定しているような太宰治の作品
もまた、悩める人たちの力になることを実感
してきました。

というのも、太宰の作品は世間では決して
口にしないような人間の心の中の恥ずかしい
部分をすべてさらけ出しているんです。


太宰自身が痛い思い、辛い思いをしながら
人間に潜む様々な一面を紡ぎ出している。

近代文学では三十人近い有名な作家が自殺して
いますが、彼らもやはり命を絶つか、長らえる
かというギリギリの心理状態の中で、
自分では受け入れ難い部分を直視しています。
中島敦の『山月記』などもそうではないでしょうか。

(加賀)
ああ、確かにそうですね。

(鈴木) 
主人公の李徴は役人という仕事に飽き足らずに、
詩人として名を得ようとするも失敗。
自尊心と羞恥心ゆえに社会から孤立し、
ついに虎になってしまったという物語ですが、
そういう人間の弱い一面に触れることで、
読者は「人間には誰にもそういう面があるんだな、
醜い部分を誰もが持っているんだな」という
深い人間理解に至ることができるんです。

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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