プロの世界ではミスは許されないし厳しくて当たり前 第 2,572 号

三冠王を獲得した強打の名キャッチャーで、
監督としても日本一に3度輝いた野村克也さん。

南海、ヤクルト、阪神、楽天の監督として
通算24年活躍し、他球団で戦力外となった
選手を蘇らせ、強者を倒す戦略・戦術は他球団
からも高く評価されました。


そんな智将が月刊誌『致知』だけに語った
「伸びる選手」「強いチーム」の条件を再録し、
故人の功績を偲びます。

─────────────────

(野村)
強いチームと弱いチームの境はどこにあるのか。

やっぱり、中心なき組織は機能しません。
鑑(かがみ)になる人が組織にいるといないと
では、チームづくりが全然違う。

鑑というのは、例えば王や長嶋のことです。
巨人から南海にトレードされてきた選手が
何人かいましたが、彼らが口を揃えて言った
のは、「王さんや長嶋さんがあれだけやるから、
我々もボヤボヤできないですよ」と。

要するに野球の技術はもちろん、
私生活も含め、模範となる選手です。
「王に見習え」「長嶋を見習え」
と言える選手がいると、
チームづくりがしやすいんですよ。
だからあの巨人のV9という偉業は、
単にいい選手が揃ったからでなく、いい選手たち
がみんな熱心に野球に取り組んだんでしょう。

また、その指揮官だった川上さんも偉かったと
思います。ある時ミーティングに長嶋が遅れてきて、
しかも筆記用具を持たず、手ぶらだったそうです。
川上さんは長嶋を注意して、筆記用具を取りに
行かせて、その間、ミーティングは中断したと
聞きました。


鑑となる選手とはいえ特別扱いせず、礼節を
乱した時はきちんと叱る。また、そうすること
で他の選手も引き締まるんです。だから、強い
チームには節度、いい意味での厳しさがあります。

 
優勝を目指して戦っていることはもちろん、
プロは高度な技術をお客さんに見てもらわなけ
ればいけない。どう考えても、プロの世界では
ミスは許されないし、厳しくて当たり前なんです。
その後、ヤクルトでは慰めの言葉は一切禁止
しました。


また、弱いチームはどうしても個人成績優先主義
になりがちです。楽天には近鉄の残党選手
が多いのですが、彼らは万年Bクラスだから、
端から優勝は無理だと思っている。
自分の年俸を上げるには、個人成績を上げて評価
されるしかないから、「フォア・ザ・チーム」
という精神が薄くなるんです。


あと、これは強い、弱いに限らず、
どのチームにも言えることですが、
”組織はリーダーの力量以上にはならない”
これは当たっていると思います。
強いチームにするにはスカウトや育成、フロント
の体制などいろいろな要件があるけれども、一番
力を注ぐべきは監督が成長すること。そうでない
とチームのレベルは上がっていきませんね。

(※本記事は『致知』2010年12月号
特集「発心、決心、持続心」より一部
抜粋・編集したものです)

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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