「 2016年07月20日 」一覧
おおぶりな健全さと.なにもかも心得た懐の深さは大切だが‥‥ = 2-2 = 第 338号
25年の歳月をかけた『徳川慶喜公伝』全八巻が 世に出ようとしていた1917年、栄一は折からの 夏休みで仙台から東京に戻っていた孫の敬三 を、湯河原の天野屋旅館に呼んだ。 静養かたがた天野屋で『徳川慶喜公伝』の序文 を書いていた栄一は、その原稿を敬三に渡し、 声をあげて読んでほしいと頼んだ。 栄一はその序文で、自分がどうして慶喜公の 知遇を得るに至ったか、なぜこのような...
おおぶりな健全さと.なにもかも心得た懐の深さは大切だが‥‥ = 2-1 = 第 337号
わが国に資本主義を産み落とし根づかせた栄一、 それを継承し育んだ嫡孫・敬三。その狭間に あって廃嫡の憂き目にあった篤二。 勤勉と遊蕩の血が織りなす渋沢家の人間模様を たどることは、拝金思想に冒されるはるか以前 の「忘れられた日本人」の生き生きとした 息吹を伝えることにも重なる。 この一族は、なにゆえに「財なき財閥」 と呼ばれたのか。 なぜ実業家を輩出しなかった...

