饗宴には外交儀礼に則(のっと)り.さまざまに創意工夫を凝らしていた 第 439 号

 「エリゼ宮の食卓」「ワインと外交」などの

人気作品で知られる著者西川恵氏は、《料理・

ワインの世界》と《外交政治》というまさ

に《軟》と《硬》、一見、別次元の領域

を見事にひとつの世界に融合させて

定評のあるジャーナリスト。

 サミットやバッキンガム宮殿、ホワイトハウス

ではどんな饗宴が繰り広げられているのか、ど

んなワインが振舞われているのか・・・下世

話な興味なれど政治音痴のわれわれでも興味津々。

 そんな世界のトップの宴席献立からわかるパワー

バランス!・・・「なるほど!!このワインを

出されたらこの国では**扱いなのか」、

「中国では**スープが出されない

とVIPでもランク下なのか」など

など、トリビアに満ちた物語から、

 感動のスピーチ、ファーストレディ、舞台裏の

人間模様まで一気に読ませる内容。

 外交とは〈第一級のドラマ〉なのだ。

 まさに「世界で一番受けたい外交の授業」

ともいえる一冊だ。

 外交における饗宴は長いこと閉ざされた

世界だった。

 首脳らがどうテーブルを囲み、何を食べ、

何を語り合ったか。

 それは庶民が窺うことのできない、独自の

世界を形成していた。

 しかし政治分野でも情報公開が進むにしたがい、

饗宴の料理や飲物のメニュー、首脳らのやり取

りや、演出の一端が表に出るようになった。

 宮内庁は国賓が来日したときの宮中晩餐会の

メニューを公開しており、これはホワイト

ハウスなどにおいても同様である。

 ネットを通じ、国際会議で首脳らが食べた料理

や、料理人の談話が伝えられることもある。

 ただメニューそのものは情報の断片であり、

その意味合いは政治の流れのなかに

置いてこそ明らかになる。

 饗宴はさまざまな政治的な計算や思惑、

演出から無縁ではないからだ。

 私は国際政治をフォローするかたわら、

各国の饗宴メニューを集めてきた。

 これを下敷きに、饗宴と国際政治の織り

なす静かなドラマを見ていきたい。

 国際政治や外交というものが実に人間的営為

であることを知ってもらえるだろう。

 本書のタイトルを「饗宴外交」としたのは、

「外交の場における饗宴」という意味以上

に、「饗宴はすぐれて政治である」

という考えからだ。

 饗宴におけるホストの歓迎スピーチと、主賓の

答礼スピーチには、両国の関係性を示唆する

さまざまな比喩と格言が込められていた。

 配布される首脳らのスピーチを読み比べ、解読

するのも、わたしの仕事の一つだった。

 フランスのエリゼ宮では饗宴を滞りなく進行

させるため、多数の人間が舞台裏でかかわり、

外交儀礼に則りさまざまに創意工夫を

凝らしていた。

 つまり饗宴とは、用意周到に準備された舞台だ。

 料理やワインは饗宴外交の有効なツールである。

 加えて日本料理は世界の人々に人気がある。

 「日本の大使公邸でしか食べられない日本料理」は、

タイ王室の人々を招く口説き文句でもあった。

 経済大国の一角を占める日本は、このツールを

駆使してそれなりのレベルのもてなしを

する格を備えた国だ。

  西川恵

『饗宴外交:ワインと料理で世界はまわる』

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今回も最後までお読みくださり、ありがとう

              ございました。感謝!

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