人間はどんなに強そうに見える人にも弱い部分がある 第 2,021 号

1日1話、読めば心が熱くなる
                 365人の仕事の教科書

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【1月28日】

「世界一の監督になれたバックボーン」

 松平康隆(全日本バレーボール協会名誉会長)

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父は小さいながらも事業を営んでいましたが、
父にもしものことがあれば、
目の見えない自分と小さな息子が
路頭に迷ってしまう。

あの頃は社会保障なんてない時代でしたから、
物乞いになるか、死ぬかどちらかしかない
わけです。


そこで一念発起した母は、
女性が仕事を持つことが考えられない時代に
骨瓶を焼く会社を設立したんです。

鹿児島の女性でしたし、
強い女性だったことは確かです。

また、なんとしても生きていかなければと
いう気概がそうさせたのでしょう。

その母が私に繰り返し教えたことが三つ
ありまして、まず一つが、


「負けてたまるかと
 静かに自分に言いなさい」。


簡単に言えば克己心ですよね。

人間はどんなに強そうに見える人にも弱い
部分がある。


その弱さとはナヨナヨしているということ
よりも、怠惰であったり、妥協でしたり、
みんな己に対する甘さを持っているわけです。

だから常に自分白身を叱咤激励し、
己に打ち克かつことが人生では
大切なことだと、そういう実感が障害と
共に生きた母にはあったのでしょう。

この「負けてたまるか」は、
監督になって世界一を目指す私にとって
一番大切な言葉であり教えとなりました。

昔の人でしたから、母はとにかく
「男とは」「男とは」と
いつも私に言っていましたが、二つ目の教えは、


「男は語尾をはっきりしろ」


です。母は目が見えませんでしたから、
言葉ではっきり伝えるということが
実生活でも非常に大切なことでした。

そして結局これが、男としての出処進退に
繋がっていくんですね。

欲しいのか、欲しくないのか。
するのか、しないのかをはっきりと宣言する。

そして男は一度口にしたら
絶対にブレてはいけないと。

チームを率いる監督も、
二言があったら選手は絶対についてきません。

もちろん試合の作戦なんかは
状況に応じてどんどん変えていくわけですが、
チームの目指すべき方向性や指導方針などに
ブレがあったら絶対にダメです。

それから三つ目の教えは、言ってみれば、


「卑怯なことをするな」


ということ。

具体的に言うと、私はおふくろが
目の見えないことを利用して
騙したことがあったんです。


「康隆! おまえは目明きだ。
目が見える者が見えない者の弱みにつけ込ん
 で騙すとは、男として、人間として最低だ!
 男は卑怯なことをするな!」


これには参りました。

自分としては全然悪気のない嘘だったのですが、
確かに目の見えない母を騙していたんだなと
思って、金輪際、人の弱みにつけ込むような
卑怯なことはしまいと心に誓いました。

後にスポーツの道に進んでも

「卑怯なことをして勝つことは
 絶対にしない」

と決めていたし、それは選手にも
幾度となく言ってきたことです。

だから、私が世界一の監督になれたバック
ボーンは、盲目の母の三つの教えによって
つくられたといっていいでしょう。

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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