自分を変えれば過去も変えることができるのです 第 2,545 号

”自殺志願者の駆け込み寺”と
呼ばれる曹洞宗長寿院。
篠原鋭一住職は、悩める人々から
寄せられる相談電話に、
24時間、いつでも門戸を開いて応じています。

人はなぜ自ら命を絶とうとするのか。
そしてなぜ生き続けなければならないのか。
20年近くにもわたり、心の限りを
尽くして語り続けてきた住職の思い――。
本日はその一部をご紹介させていただきます。

─────────────────

(篠原)
自死志願者の相談を受けるようになったのは、
ある若者が友人に連れられて
この寺を訪れたことがきっかけでした。
死にたいと繰り返す姿を見かねて、
お寺の坊さんなら何かいいアドバイスを
してもらえるだろうと思って
連れてきたとのことでした。
 
若者はそれまで、
嘘にまみれた人生を送ってきていました。
暴力団の抗争に巻き込まれて
殺される寸前のところまでいき、
人生はもう終わったと思い込んで、
死に場所を探していたのです。

私は、警視庁の友人の力を借りて
暴力団がらみの問題をまず処理し、
この寺にしばらく身を寄せ、
本気で自分を大転換するよう彼に勧めました。
頭を丸めて仮の得度の式を挙げ、
他の弟子たちとの修行の毎日が始まりました。

特に命じたのが、縁側の掃除でした。
ひと月たった頃に彼は、
「十分ピカピカになったから、もう縁側を
磨いても意味がないのではないですか」
と言いました。私は諭しました。

「汚れていようが、きれいだろうが関係ない。
ただひたすら掃除する。
磨くことそのものがおまえの修行なのだ」
 
8か月たった頃、
少し分かった気がすると彼は言いました。
「これまでの自分は、
どう生きるかという覚悟も持たず、
流されていました。
ここで修行させていただいたおかげで、
社会に出てまじめに働く覚悟が固まりました
 
そこで私は、
寺を卒業するための課題を与えました。
分厚い紙の束を渡し、
いままでついてきた嘘を
全部書き出すよう命じたのです。
すぐに、「書きました」と戻ってきましたが、
手にはわずか数枚しか持っていません。
「まだあるだろう。もう一度書き直せ!」
そうしたやり取りを何度かするうち、手に
している紙は次第に厚みを増していきました。

翌朝、お経を上げ終わった私のもとに、彼は
分厚い紙の束を抱えてやってきました。「それ
で全部か!」「もうこれ以上ありません!」
彼はその場に泣き崩れました。
偽りはないと見た私はご両親を呼び、
卒業の儀式を始めました。

本堂の中央に彼を座らせ、
弟子たちとともにお経を上げながら、
嘘を書き綴った紙を燃やしました。
私が読みもせずに燃やすのを見て
怪訝な顔をする彼に私は言いました。

「私が読むために書かせたのではない。
おまえがこれから新しい人生を始める前に、
過去の過ちを懺悔し、
清算するために書かせたのだ

燃えていく紙を、
彼は涙を流しながら見つめていました。
すべて燃やし終わると、
私は最後の警策を浴びせて言いました。

「よいか、おまえはきょうからもう
嘘をつく必要はないのだ! 
嘘をつくなと言っているのではない。
嘘をつく必要はないと思え!」

彼は号泣し、涙で心の澱をすっかり洗い流して
両親と帰って行きました。
その後印刷会社に就職し、
いまも元気に働いています。
人は変わることができます。
自分を変えれば、
過去も変えることができるのです

かくいう私も過去に一度、
自ら命を絶つことを考えた人間です。
42歳の時に……

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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