生きてきた人間の持つ「力」というものがある 第 1,951号

デビュー作は太宰治賞、2作目で芥川賞を受賞
日本の純文学を代表する作家として活躍し、
今年春の叙勲では旭日小綬章を受章された
宮本 輝さん。


「85歳まで書き続け、100篇の長編小説を残す」
という一念を掲げて執筆活動を行ってきた宮本
さんですが、その青年期は波乱万丈なものでした。

『致知』最新号にもご登場いただいた
氏の人生観・仕事観の原点を、2012年掲載
の秘蔵インタビューからご紹介いたします。

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(宮本)
昔、ある人から「俺は50を過ぎた人間の情熱
しか信じない」と言われたことがあるんです。
35歳の時でしたけれど、その時は意味が分か
らなかった。


まるで35歳の自分が否定されたような気が
してね。しかし、絶対に50になってみないと、
この人が言っている意味が分からないだろう
とも思いました。


それで48歳の時に阪神・淡路大震災です。
私は関西を拠点にしていますから、家も壊れました。
死んだ気になって、一生行けないかもと思っていた
シルクロード6,700キロの旅にも出ました。
それでも「50を過ぎた人間の情熱しか信じない」
という意味は分からなかったですね。

で、いよいよ50歳になる直前ぐらいになって、
ようやく「ああ、そうか」と。50年ですから、
どんなに平々凡々に暮らしてきた人でも、
やっぱりいろんな経験をしていますよ。

思いどおりにいかないことばっかりだっただ
ろうし、病気もしただろうし、人に裏切られた
こともあるだろうし。そうやって生きてきた
人間の持つ「力」というものがあるんですよ。


(――また、そういう人生経験を経て、
なお50歳を過ぎても燃え滾る情熱があれば、
それは本物だと。)

〈宮本〉
そうとも言えるかな。

(※本記事は『致知』2012年11月号
特集「一念、道を拓く」から一部抜粋・
      編集したものです)


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 今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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