現金決済の会社が行き詰るのは.銀行がそっぽを向いたとき 第 1,886 号

 大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西

支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融

資の承認を取り付けた会社が倒産した。

 すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。

四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多か

りし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。

 そんな世代へエールを送る痛快

エンターテインメント小説。

 銀行用語で「裸」といえば、信用貸しのこと。

つまり、担保のない融資のことをいう。

もし相手が倒産したら損になる。

 実は倒産の定義というのはいまひとつはっき

りしない。そもそもこれは法律用語ではない

ので、『法律学小辞典』などにも「倒産」

という項目はない。

 そもそも不渡りとは、企業が発行した手形が、

当座預金の残高不足で決済できないことをい

う。ちなみに、当座預金というのは、主に

会社が代金決済のために開設する口座で、

振り出した小切手や手形は、この口座

の残高から差し引かれる。便利だが、

利息は一切つかないというのが特徴的だ。

 不渡り手形といえば、サービスの代金として

受け取った手形を相手銀行に呈示して支払い

を求めたのに、「当座預金が決済資金不足

で払えねえよ」戻ってきた手形のことだ。

 ちなみに「決済」という言葉は難しい

印象を与えるので平たくいうと

「支払い」と同じである。

 清算貸借対照表というのは、会社の資産から、

回収できない売掛金などを削除し、正味どの

くらい残っているかを検討する資料だ。

 それを作成するためには、前提として、

その会社の真正な貸借対照表が

なければならない。

 ちなみに貸借対照表というのは、いわば会社

の断面図である。元手がいくらで、いくら借

金をし、そうやって集めた金で、どんな資

産を有しているのかが、一覧表になって

いると考えるとわかりやすい。

 土木建築の業界では「いつもニコニコ現金払

い」がモットーであり、売掛金はあっても手

形払いはない。世の中には様々な会社があ

るから中には例外もあろうが、現金決済

の会社が行き詰るのは、銀行がそっぽ

を向いたときだ。

 実際、カネの流れというのは、シロウトにとっ

ても難しいがプロである銀行にしてみても、そ

う簡単に解明できるものではない。ときに何

時間も数字とにらめっこして、それでもピ

ンとくればまた幸運なほうで、いくら眺

めてもわけがわからないこともあるのだ。

 中小企業融資に対する着眼点はそれほど多く

はない。正しい業績判断、適正な融資とそれ

に見合う担保。これに尽きる。この当たり

前のことを当たり前にするために、銀行

業界では金融庁があれこれと指針を作

成し、さらに銀行独自のルールがあ

り、書類の作成が義務づけられている。

 社長業は孤独だ。カネ回りのいいときには周囲

からちやほやされるが、いったん、窮地に立つ

や、誰も救いの手をさしのべてはくれない。

 プライベート・バンキングとは、ターゲット

を個人富裕層に絞った金融業務のことである。

業務の中心は、資産の運用だ。顧客の意向

に沿って、株、債券、外貨預金へと資産

を配分して収益状況を管理するだけで

はなく、ときに家の中の問題にまで

踏み込んでサポートする。

 銀行というところは、人事が全てだ。ある場所

でどれだけ評価されたか、その評価を測る物差

しは人事である。だが、その人事は常に公平

とは限らない。出世をする者が必ずしも仕

事のできる人間ではないことは周知の事実だ。

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  今回も最後までお読みくださり、

     ありがとうございました。感謝!

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