心臓は大量の血液を血管を使って送り出す仕事をしている 第 2,023 号

 戦史や戦争の分析を読むと、勝負を決した

主原因としてよく挙げられるのが「兵站」

――「へいたん」と読む――である。

 しかしながら不可思議なのは、いにしえから

「兵站」は重要視されてきたのに、実際の戦

いではなぜか繰り返し軽んじられ、多くの

兵士が尊い命を落としている……それは

なぜなのか?

 本書ではまず兵站とはどういうことなのか、

小学生の遠足と旧約聖書『出エジプト記』

を例にわかりやすく解説する。「兵站

を心臓・血管・血液・細胞などの譬

えで説明する」

 私の「兵站」に関わるつたない話を紹介したい。

私は1970(昭和45)年3月に防衛大学校を卒業

し、半年間、福岡県久留米市の幹部候補生学

校で教育を受け、その後、長崎県大村市に

ある第一六普通科連隊第四中隊の小隊長

になった。

 私の小隊約20名は中隊主力とは別行動で、

広い演習場のなかを行動した。そのとき、

小隊陸曹(小隊長の補佐役)の吉田

鉄馬一曹が私にこう言った。

⇓「福山小隊長、今後あなたの自衛隊生活で最も

大事なことを申し上げます。それは、演習に出

たときは、部下にきちんと食事を与えるよう

に努めることです。これさえ守れば、隊員

たちはどんなにつらくても福山小隊長を

信頼し、ついてきます」と。

 私にとって、この吉田一曹の言葉こそが「兵站

の重要性」を身近なこととして教えを受けた

最初だった。

 日本の国花の桜を例に「兵站部隊」について

わかりやすく比喩すればこうだ。

 「陸軍の歩兵・砲兵部隊、海軍の艦隊、空軍の

戦闘機部隊などの『戦闘部隊』」を「万朶の桜

(多くの枝に咲きそろった桜)」とするなら、

「兵站部隊」は「桜の根」に相当する。

 見事な爛漫の桜を咲かせるためには大地に

深く広がりを持つ「根」が不可欠なのだ。

 もしも、モグラなどから根を切断されれば、

桜は花どころか木自体が枯れてしまう。と

いっても、桜は根だけでは支えきれない。

「肥沃な大地」が必要だ。

 この「肥沃な大地」こそが、マンパワー、

財政、資源、工業力などを提供する

「国民・国家・政府」なのである。

 兵站を理解するためには、心臓・血管・血液・

細胞を例にした譬えがわかりやすい。

 心臓は大量の血液を血管を使って送り出す仕事

をしている。兵站では、心臓に相当するの

が策源地(または策源)である。

 策源地とは、前線の作戦部隊に対して、補給、

整備、回収、交通、衛生、建設などの兵站

支援を行う後方基地(根拠地)のことである。

 策源地は、通常、作戦部隊を送り出している

国家のなか(本国・本土)にある。

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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