己をよく知っている人こそ一流の心を持っている人間なのです 第 1,933 号

本日は名著5選の中から、
世阿弥の名著『風姿花伝』の一部を
ご紹介いたします。


……………………………………

『風姿花伝』世阿弥・著

 44、45歳……
 ムリをせず、「主役」は人に譲ってしまえ

……………………………………

この年代(44、45歳)から、
能の出来栄えというのは、
大きく変わってきます。

たとえ天下に認められ、
あらゆる演じ方を自分のものとしていたと
しても、それでも優れた役者を脇に置いて演じた
ほうがいいでしょう。


能のレベルが落ちることはありませんが、
誰でも歳をとると自然に力は失せ、
体が見せる「花」も、
観客が感じる「花」も衰えていきます。

よっぽど容姿の優れた美男ならともかくとして、
外見のいい人でも、素顔で演じる猿楽は、
歳をとれば見られたものでありません。

どうしても自分が演じられる演目から、
素顔でやるものは落とさざるをえないのです。

この歳になったら、
もはや細部にこだわった物まねを
するべきではないでしょう。

だいたい自分の容姿に似合った役柄を、
楽に、骨を折ってムリすることなく演じること。

脇の演じ手に花を持たせながら、
あたかも自分は添え物であるように
控えめに演じればいいのです。

たとえ脇の演じ手がいない場合でも、
細かい体の動きを必要とするような能は
控えるべきでしょう。

どんなに頑張っても、
観客からは花のある演技に見えません。

四十四歳を過ぎて、
失われない花があるとすれば、
やはりそれは「誠の花」ということになります。

五十歳近くまで失われない花を
持っている役者であれば、
おそらく四十歳以前に、
天下の名声を得ているはずです。

天下の名声を得た役者であるとすれば、
それだけの名人は、自分のことが
よくわかっているでしょう。

脇の演じ手を育てることに
力を注いでることが通常で、
自らの身を砕き、わざわざ欠点ばかり
目立つような能を演じることはありえません。

そのように己をよく知っている人こそ、
一流の心を持っている人間なのです。

致知BOOKメルマガ

 今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

スポンサードリンク

♥こちら噂の話題満載情報♥

ぜひ、いいね!を「ぽちっ」とお願いします

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください