先人への感謝を忘れないことも人や企業が繁栄する大切な要素 第 2,599 号

コロナ禍、ウクライナ危機と、
世界に様々な風が吹き荒れるいま、
商号を変えることなく長い歴史を重ねる
老舗の存在感が高まっています。

企業の平均寿命が30年と言われる中、
老舗はなぜ永続することができるのか。
その秘訣を社会教育家で老舗研究約50年の
田中真澄さんはこう語られていました。

─────────────────

(田中)
日本にはなぜ老舗が多いのでしょうか。
まず、何をおいても島国日本は
大東亜戦争後の一時期を除いて、他国の支配
を全く受けなかったことが挙げられます。
これらの地理的、歴史的な環境や条件に
恵まれていたことは何よりも幸いなことでした。

2番目の理由は日本人の勤勉性。
つまり、仕事に手を抜かず、
一途に打ち込む国民の習性です。
宣教師のフランシスコ・ザビエルは、慎ましく
勤勉な日本人の民族性に驚きました。「500年
後、日本人は世界を代表する民族になるだろう」
と賞賛。

その言葉のとおり、日本人の勤勉、
倹約の精神はいまや世界中の人々が
認めるところとなりました。

3番目の理由は、顧客のために誠心誠意
尽くすという顧客第一主義です。この顧客第一
主義は日本独自のものと考えてよいでしょう。
西洋の国々の思想的ベースにはキリスト教が
あり、その根本は神の愛、隣人愛です。

だとしたら、商いにもそれが反映されて然る
べきですが、残念ながら顧客第一主義、
利他主義という概念は彼らにはありません。
むしろ善悪よりも損得を優先する
個人主義的な考え方が主なのです。

そして4番目は人材の育成です。
徹底して社員の面倒を見て教育し、
最後には暖簾(のれん)を分けるという
発想もまた西洋にない日本独自のものです。

日本に老舗が多い4つの理由を挙げましたが、
そのことを端的に示しているのが老舗に残る
家訓です。


例えば、江戸初期から300年以上存続する
三井家は初代・三井高利が「現金掛け値なし・
正札商売」という斬新な発想で越後屋呉服店を
飛躍させたことで知られています。


もう一つ、私は老舗といわれる企業や店舗を
訪れるたびに驚くことがあります。どこも
立派な神棚や仏壇が備えられているのです。
店主や従業員は毎日、神仏に向かって
伝統を守り抜くことを誓います。

私はこれを祈願ならぬ「祈誓」と呼んで、
自身も日々実践しています。
神仏に手を合わせ、両親の笑顔を
思い浮かべると不思議にスッと心が開いて、
誓いが腑に落ちるのです。
先人への感謝を忘れないでいることも、
人や企業が繁栄する大切な要素なのかも
しれません。


★『致知』最新号には、老舗研究家の
田中真澄さんと1300年もの歴史を
刻んできた西山温泉慶雲館社長の
川野健治郎さんの対談を掲載。


対談には、
・旅館業以外には手を出すな
・よい企業に共通するもの
・いかにして運を育むか

など、企業や組織を永続発展に
導く具体的な教え、知恵が満載です。
ぜひご覧ください。
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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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