人類が刻むリズムは加速度的にだんだんと早くなっている 第1,253号

 ボランティアで約40年にわたって

森林を守り続ける神座さん。

 自然とともに生活してきた神坐さんは、

そうした知見に基づいて、「人類は滅

亡の危機に瀕している」と警鐘を

鳴らし続けています。

 一人でも多くの人に環境問題に関心を

持ってほしいと語る神座さんの話に

耳を傾けてみてください。

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 神座 侃大(森林インストラクター)

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 本業である糸屋の経営の傍ら、これまで私は

約20名の仲間とともに毎月1回、埼玉県所沢

市周辺を中心とする約9ヘクタール(2万

7,000坪)の雑木林の再生活動に

取り組んできました。

 最初は市所有の雑木林の管理を委託されて

いましたが、私有の9ヘクタールの雑木林

が荒れ放題だったために、仲間とともに

その再生に努めるようになったのです。

 まず不要な木を伐採し、雑草を取り除き、

コナラの木を中心とした林に戻していきます。

当初、植生は40種類程度でしたが、手入れ

を行ったことにより日光の当たり方が

変化し、もともと土壌の中に埋まっ

ていた種が芽を出すようになっ

て、いまでは250種類を超

えるようになりました。

 1年1年の変化は僅かでも、20年以上、黙々

と手入れし続けていることで、都市部に

ありながら雑木林が見違えるように

再生したことを実感しています。

(中略)

 一方で、雑木林に長年いると、自然環境の

変化をいち早く察知できるようになりました。

 例えば、埼玉県には県の蝶であるミドリシジミ

が生殖していますが、ミドリシジミの幼虫が

食するハンノキが減少すると、ミドリ

シジミの姿も減少しました。

 他にも、水質が綺麗な地域にしか生息しない

ブヨなどの生物も急激に減少しています。

これは水質が汚れている証であるにも

拘らず、一般の住民たちにとっては

「ブヨに刺されるよりはいなく

なるほうがありがたい」という程度の認識です。

 このように私たちの身近なところで確実

に環境は汚染されているのです。

 地球上に生活する何万種という生物たちは、

互いに手を取り合い、食物連鎖を繰り返し

ながら、ピラミッド状の生態系を築き

暮らしていることはご存じのとおりです。

 46億年の地球の歴史の中で、生命が誕生した

のは38億年前。その中で生命は気候変動、

火山の噴火、隕石の落下など外的要因

によって5回、大絶滅の危機に瀕してきました。

 そして現在、第6回目の大絶滅が始まって

いると危惧されています。言うまでも

なく原因をつくったのは人類です。

人類も初めは生態系の一員でしたが、火を

使い始めた頃から生態系を外れ、ピラ

ミッドの頂上に君臨するようになりました。

 いまはまだ生態系が何とか保たれていますが、

そのバランスが一度崩れたとしたら、一気に

波紋は広がり、生命の大絶滅の危機に

直面することになるでしょう。

 38億年に及ぶ生命の進化の流れと比べると、

人類が刻むリズムは加速度的にだんだん

と早くなっていることが分かります。

 この早すぎる進化のリズムが何を意味するのか。

 このまま推移すれば、絶滅する生物はさらに

増加し、大絶滅が現実のものとなる

ことは確かです。


【『致知』のキーワード】

・46億年の地球の歴史の中で、
 生命が誕生したのは38億年前

・人類が刻むリズムは加速度的に
 だんだんと早くなっている


『致知』2019年1月号【最新号】

        特集「国家百年の計」P56

今回も最後までお読みくださり、

             ありがとうございました。感謝!

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