一見無駄に見えることを重ねた先に得られるものがある 第 905 号

 女性報道記者のパイオニアで、現在は

ニュース番組のキャスターなども

務める下川美奈さん。

 その下川さんに、報道記者として大切

にしてきたことや情報を入手するコツ

についてお話しいただきました。

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 下川 美奈
 (日本テレビ放送網報道局社会部

           副部長解説委員)

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──報道記者として大切にされている

ことは何ですか。

 例えば、ニュース会見の場などで当局の

方が言えることって、実は持っている

情報の3割ほどなんですね。

 その3割を基に私たちは情報を発信して

いるのですが、それをただ垂れ流すの

ではなく、自ら取材して肉づけし、

真相に近づけた形で配信しています。

 3割しか知らないで3割を伝えるのと

全容を把握した上で3割をお伝えす

るのとではやっぱり視聴者への

伝わり方も違います。

 少しでも入手できる情報を百%に近づけ

ることが報道人としての使命であり、あ

る意味記者の腕の見せ所だと思います。

──情報を入手するコツなどはありますか。

 情報を持っている方も、顔の見えない

人に話したくないでしょうから、「こ

いつ信頼できるな」と肌で感じて

もらえるような信頼関係を

築けるかだと思います。

 そのためには、労を惜しまず足を運ぶ。

それが基本です。

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 刑事の世界でも「現場百度」という言葉

があって、無駄だと思っても100回同じ

現場に通うと、全く違うものが見え

てくると言われています。

 それって本当に真理で、効率化や合理化

も大事ですけど、根性とか泥臭さもやっ

ぱり必要で、一見無駄に見えること

を重ねた先に得られるものがあるのです。

──小さな積み重ねが大事だと。

 そうした努力の結果、2006年、33歳の

時に全国で女性初の警視庁キャップを

拝命し、十名のチームを任せて

いただきました。

 ただ、これには仲間の力も大きくて、互

いに励まし支え合ってきたことで、一人

では挫けてしまいそうな困難も乗り

越えられたと思っています。

 ですので私も仲間同士のコミュニケー

ションやチームワークは特に

重視しています。

 2009年からは社会部のデスクを拝命し、

事件だけではなく教育や医療など、社

会問題全体に幅広くアンテナを立

てるようになりました。

 そうしたら、その一年後に部長から「来

月から朝のニュース番組のキャスター

をやってもらうことになりました」

と急にメールが来たんです。

 会社側からすると、現場感がより伝えら

れて、一人二役にもなるので人員的

にも楽なんですね。

 でも私はアナウンサーなんてやった

ことがなかったので……

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『致知』  2018年1月号

      連載「第一線で活躍する女性」P96

今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝

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