テロ組織.国家.犯罪組織が国際金融を舞台に多層的に連鎖している現実がある 第 827 号

 石油を買い漁る中国にヤクザが群がった。

 単身オイルを求めてわずか1年で250億円

を稼いだ男はアメリカに狙われ、パレ

ルモ条約で拘束された。

 朝鮮半島危機から9・12任侠山口組射殺事件

にまで連なる、エネルギー・麻薬・武器取引・

犯罪組織・「ドル」の連鎖をすべて明かす。

 政治と経済は表裏一体であり、政治も

経済も裏と表で動いている。

 そして、それらは人が動かしているのだ。

 人を動かす最大の原動力は欲であり、欲が

あるところに金が集まり、金のあるところ

には裏も表も関係なく人が集まる。

 元経済ヤクザだからわかる北朝鮮

クライシスの正体。

 なぜ北朝鮮がミサイルの発射をするのか。

 これには大きく2つの理由がある。

 まず、アメリカとの直接交渉を

引き出すことだ。

 ヤクザが「いわすぞ」「沈めたろか」など

言葉にして脅している時は、実は安全だ。

 一番怖いのは、「沈黙」で、それは

何かを実行するサイン。

 北朝鮮もアメリカに沈黙されたくないので、

ミサイルを発射して常に脅迫の言葉

を引き出し続けている。

 もう一つは、ミサイルの発射実験が最高

のショーケースになっている点だ。

 ICBMは北朝鮮製の武器の

フラグシップモデル。

 携帯電話の新型モデルと同じで、フラグシップ

モデルの性能を見て、北朝鮮製の武器を買い

たいお客さんは「他の武器も良い性能

に違いない」となる。

 ロシアとの関係性を考えれば、北朝鮮製の

武器はロシアン・マフィアを通じてお客

さんに供給されることになるだろう。

 北朝鮮のロケットは安価だが、その部品の

多くはロシア経由で入ってくる。

 具体的にいうとウクライナで、ウクライナ

は兵器製造の国でたくさんの工場があり、

そこを仕切っているのもマフィアだ。

 そこで作られた部品を北朝鮮に売って、北が

それを元にミサイルなどに組み立てて、

海外に売るという構造だ。

 一連の朝鮮半島危機の水面下では、北朝鮮、

ロシア、石油、武器、犯罪組織マフィア

が連なっている。

 独立系の小さな組織が、大きな組織と渡り合

って生き残ることがヤクザの世界でもある。

 このとき独立系の組織は他組織の動きを

見ながら巨大組織と戦うわけだ。

 中国にしてもロシアにしても、世界で存在感

を示せるのは北朝鮮をコントロールできると

いうことだから、おとなしいよりは少々

暴れてくれたほうが助かるわけ。

 暴れる舎弟を「まぁまぁ待てや、その辺にしと

けや」言うてなだめるスタイルでしょ(笑)。

 原発警備の2強といえばJSSとALSOK。

 JSSは空港警備もやっていて警察官僚と、

元々国際線を独占していたJAL(日本航

空)の天下りの合弁会社のような会社。

 ちなみにJSSの会長は、亀井静香さん。

 ALSOKのほうは自衛隊OBがいるが、

こうした特殊な産業警備は警察OB系と

自衛隊OB系の2社が独占している状態だ。

 原発は専門性と参入障壁があまりに高い

発電方法なので一番大きな利益を生み

出す部分で、黒い利権が生まれない

ばかりか、権利に与る余地さえない。

 そういう意味では原発ほどクリーンな

発電所はないと言える。

 中東の紛争ほど美味しい利権はない。

 サウジアラビアと敵対する周辺国に

武器を供給しているのはロシアだ。

 ロシアという国家の下請けがロシアン・

マフィアで、ロシアはマフィアを仲介

にして大量の武器を供給している。

 このように大国にとって中東という

のは、巨大な利権の巣窟なのだ。

 石油というのは国家の戦略物資であると

同時に、テロリストの重要な資金源でも

ありマフィアの資金源でもある。

 やはりロシアン・マフィアのすごい要因

の一つは、ロシアが資源大国であること。

 ソビエト崩壊からロシアになった瞬間

から、政権とロシアン・マフィア

との癒着が始まっている。

 ロシアン・マフィアというのは武力だけでは

なく政治力も計り知れないくらい強いわけだ。

 政権側に付いたマフィアは、石油でもガス

でも、尋常じゃない量を扱えるわけだ。

 とにかく強いわけだ。

 政権に付いたマフィアっていうのは

国家戦略レベルの量を扱える。

 わたし(猫組長)は、石油ビジネスで得た

巨額の金を超大国アメリカに没収され、

パレルモ条約で拘束されたことがある。

 本書で伝えたかったことは「ヤクザとオイル

マネー」という言葉に留まらず、自分の経験

を通じて知った、石油、ドル、武器、麻薬、

テロ組織、国家、犯罪組織が国際金融を

舞台に多層的に連鎖している現実である。

 猫組長&渡邉哲也

  『ヤクザとオイルマネー』

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今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。感謝!

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