ケルト人は自然界のもろもろに神霊がやどると信じていた 第 2,673 号

 グローバル化は今に始まったのではない。

ストーンヘンジの時代から、サッチャー

後の今日まで、複合社会イギリスを

ダイナミックに描く。

 さまざまな文化の衝突と融合、歴史をいろどる

男と女、王位問題と教会・議会、日本史との

交錯など、最新の研究成果を反映した、

タネもシカケもある全10講。

 連合王国とアイルランドに住む人々は白人が

一番多いが、その白人の中でもさまざま

な来歴の人々が交ざり合っている。

 また英語は、ヨーロッパ諸言語が混成し、独自

に展開して歴史的にできあがってくる。こう

した事実は、イギリスの歴史において北海

や海峡をはさむヨーロッパ・コネクショ

ンが決定的だったことの結果である。

 ケルトは文字のない社会だったから、口承と

祭礼によって情報を伝え、文化を継承した。

その中心に祭司ドルイドがいて、人知を

こえる世界と交渉し、現世の難題を解決した。

 ドルイドは神霊と通じた預言者であり、妖術

師であり、人々の係争を処理する賢人であり、

吟遊詩人であった。男だけでなく、巫女もいた。

 ケルト人は自然界のもろもろに神霊がやどる

と信じていた。清水や池、樹木、岩石に宗教

性を認め、これらを大切にしたケルトの

文化に、読者も親しみを覚えるだろう。

 いまケルト文化というと、アイルランド、

スコットランド、マン島、ウェールズ、

コーンウォル、ブルターニュと結び

つけて語られる。

 そしてまた、先史ヨーロッパには広くケルト

という一体性のある民族と文化が存在し、歴

史的にローマ人やアングロサクソン人や

ノルマン人によって迫害され辺境に

追いやられたが、かつて「ケルト

辺境」としておとしめられた

地域は、いま力強くよみ

がえる、といった物語も説きつがれてきた。

 諸部族が争い交わった300年間のうちに、

一定のまとまりをもつ言語および人の

集合が生まれた。それぞれの祖地で

あるデンマーク、北ドイツ、ネー

デルラント系と連続する要素

もあるが、独自の規範を

もつ言語エングリッシュが成立した。

 これは「アングル部族の言語」といった限ら

れた意味ではなく、グレートブリテン島の

ゲルマン諸部族の共通語であり、英語学

でいうところの古英語である。英雄詩

『ベオウルフ』が、この頃の英雄の

力、知恵、忠誠心、生と死を歌い上げている

 バイキングは船団で襲い、略奪して帰ると

いうパターンから、やがて陣地をつくり、

さらにイギリスや北フランスの征服に転じた。

 ヨーロッパの国王はいかにして部族長や将軍

にはない権力と権威の超越性(カリスマ)を

証したのか。血統だけ、力だけでは、

王位は定まらない。

 神話的世界観とキリスト教の混交による、

王位の正当性の3つの要件が必要だった。

1、血統の正しさ。

2、貴族など聖俗の有力者による推挙あるいは同意。

3、神の加護、すなわち教会の承認である。

近藤 和彦 (著)『イギリス史10講』

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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