イメージを満たしてくれる解説書を立ち読みした時に震えがきました 第 1,214号

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1 龍の姿がまるで映像のように
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 竹村 亞希子(易経研究家)
×
安岡 定子(こども論語塾講師)

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 独学で『易経』の世界に足を踏み入れ

たという易経研究家の竹村亞希子

さん。その最初のきっかけは

高校時代にありました。

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【竹村】
私の場合は小さい頃から活字中毒で、小

学生高学年の頃には文庫本を読んでい

ました。小説に限らず、手当たり

次第にいろいろな本を読む、い

わゆる乱読ですね。読む

ものがなくなったら、

父の書斎にある

本を読んだりしていました。

 

 最初に読んで惹かれた古典は

『荘子』と『老子』でした。

【安岡】
それをおいくつの頃に読まれたのですか。

【竹村】
高校の2年生か3年生の時だったと思い

ます。父の書棚にはベストセラーに

なった黄小娥の『易入門』もあ

ったのですが、易占いの本

と受けとめていました。

 

 20歳の時だったか、東京・水道橋の

本屋で熊崎健翁の『易占の神秘』を

手に入れました。ある時きちん

と読んでみようと思いました。

 

 最初に出てきたのが「龍の話」でした。

【安岡】
確か『易経』の冒頭の「乾為天」にある

話ですね。地中に隠れていた潜竜が

飛龍となって大空を舞い、最後

には亢龍となって衰退していくという……。

【竹村】
はい。最も古い帝王学だと後で知りま

した。淵に潜んでいた潜龍が力をつ

け、飛龍となって天をかけ巡り、

最後は亢龍となって衰退す

るという、龍の成長に

喩えて栄枯盛衰を教えています。

 

 人生や会社組織、あらゆる物事に通じる

原理原則として読むことができます。

 

 短い文章ながら想像力を掻き立てられて

映像がリアルに浮かんできました。

 

 これが『易経』との本格的

な出合いでしたね。

 

 それから易の本を読み漁ったのですが、

どうも物足らなくて、最初に大きく広

がったイメージを満たしてくれる

解説書がなかったのです。

 

 ある時、名古屋の古本屋で、30万円は

するはずの高島嘉右衛門の『高島易断』

4巻本が18万円で売られていました。

 

 立ち読みした時に震えがきました。

 

 私の探していたのはまさにこれだと。

 

 カタカナと漢字だけの本ですが、幸い

昔から難しい本は読み慣れていたの

で、漢籍の素養が特別になく

ても楽に読めました。

 

 これを逃したら、いつまたこの本に出

合えるか分からない。店主さんに「い

まは8千円しかないけれども、2週

間以内に必ずお金を持ってきます

から」とお願いしたところ、

「あんたみたいな若い子がこんな

難しい本を読むのか」と意気

に感じて15万円にまで安

くしてくださったんです(笑)。

【安岡】
そうでしたか。それほどまで

に魅了されたのですね。

 

 『致知』2018年11月号

      特集「古典力入門」P18

 

 今回も最後までお読みくださり、

     ありがとうございました。感謝!

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