どんなに辛くとも苦しくとも取り乱さず.優しさと大らかさ保つには… 第 992 号

 大峯千日回峰行という荒行を、1,300

年の歴史の中で、二人目に満行

された塩沼亮潤さん。

 過酷な修行の先に見えてきた不動の

世界をご自身の体験を踏まえて、

お話しいただきました。

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 塩沼 亮潤 (慈眼寺住職)

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 千日回峰行を満行した者は、10年目に、

9日間飲まず、食べず、寝ず、横に

ならずという修行に入ります。

 これを「四無行」と言います。

 行に入ると9日間ずっと辛いか

最悪かのどちらかです。

 しかし、そこで気持ちが負けていた

のでは衰弱するばかり。

 攻めの気持ちで行じなければなりません。

 「四無」の中で一番きついのは

水を飲まないことです。

 喉の渇きは口から水分を入れて

やらなければ癒えません。

 一日一リットルずつ体から水分が抜けて

いくので血液がドロドロになって

いるのでしょう。

 座っているだけで脈が90から

100、120と上がります。

 吐き気がして心臓が飛び

出てきそうです。

 どうやっても治まりません。

 水分が人間にとっていかに貴重な

ものかと改めて気づきました。

 自分がここに存在しているだけでも

「ありがとう」と、すべてが感謝

の世界に包まれているよう

な9日間でした。

 「普段私たちはいかに幸せでしょう。

 ご飯も食べることができない人が

世界にどれほどいるでしょう。

 その苦しみ、痛みからみれば、

私の苦しみなんて。

 どんなに辛くとも苦しくとも取り乱さず、

優しさと大らかさ、そしてのびのびと

清らかなる心で行じれば、必ず

護られるのです。」

 「たとえ時代が変わっても、お釈迦さま

が示してくれたお手本どおりに歩む道

こそ御仏に仕える者の定め。

 だから行に始まりも終わりもない。

 ただ無の心」

 お釈迦様は2,500年前、波斯匿王

というインドの王様に「人間の

生き方は四種類しかない。

 一つは光から光へ生きていく人間、

次は光から闇へ生きていく人間、

三つ目は闇から闇へ生きていく人間、

四つ目は闇を転じて光ある世界

へ生きていく人間だ」と言いました。

 光と闇は私たちの心が

つくるものです。

 生きていれば、イラっとしたり、

ムッとすることもあるでしょう。

 けれども、昼があって夜があるように、

この世はすべて陰と陽、よいこと

も悪いことも半分半分です。

 よいことが続くと永遠に続いてほしいと

思いますけれども、辛いこと苦しい

ことも自分の心を磨く砥石なん

だと思えば、闇を転じて

光ある世界に生きて

いくこともできるのです。

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  壁を乗り越えるヒントを与えて

 くれる『致知』
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『致知』2018年4月号

   特集「本気・本腰・本物」P32

今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝

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