諸外国は日本をどのように取り上げてきた
のだろうか。彼らの日本に対するイメージ
はどのようなものであった(ある)のだろ
うか。気鋭の郵便学者が、切手に隠さ
れた意外な真実とドラマを、その過
去と現在からスリリングに読み解く。
使い古された表現だが、切手は「小さな
外交官」と呼ばれることがある。
これは切手が、郵便料金が前払いされた
ことを示す証紙であるだけでなく、その
国の自然や文化遺産、政策やイデオロ
ギー、社会状況などを対外的に発信
する国家のメディアとしても機能
していることによる表現である。
「外交官」である以上、切手には時とし
て他国の姿が刻み込まれることもある。
他国の文化を尊重し、それを正確に理解
しようと努めるのと並行して、自国の姿
を正確に相手に知ってもらうよう努力
することも欠かせないはずである。
♠その第一段階として、外国人が日本を
どのように見ているのか、十分に知って
おく必要があるのはいうまでもないだろう。
こうした作業を進めていくうえで、切手と
いう国家のメディアは、その国の我々への
視線を理解するうえで有益なものである
と筆者は確信している。
印刷物としての切手の品質は切手製造者
の技術的水準をはかる指標となるし、郵
便料金の推移は物価の変遷と密接に
リンクしている。
切手を中心とする郵便資料は、歴史学、
社会学、政治学、国際関係論、経済史、
メディア研究など、あらゆる分野の
関心に応える情報の宝庫である。
♣そこから得られた情報を駆使して、
「郵便」という視点から国家や社会、
時代や地域のあり方を再構成しよ
うとするのが、筆者の考える
郵便学の基本的な構想である。
内藤陽介『外国切手に描かれた日本』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!